早大ラグビー部3年の矢崎由高は、1月11日、東京・国立競技場で苦い時間を過ごした。
2年続けて出場の大学選手権決勝で、明大に10-22と敗れた。クラブにとって6シーズンぶり17度目となる日本一を逃した。
「本当に、悔しいというのが一番です」
身長180センチ、体重86キロ。最後尾のフルバックを務める。
この日は3-7とリードされていた前半28分、10分間の一時退場処分(シンビン/イエローカード)を受けた。自ら蹴った球を追いかけた先で、跳び上がって捕球しようとした相手と交錯。「危険なプレー」と判定された。
自身が抜けた間に明大のトライを許し、3-14でハーフタイムを迎える。早大は巻き返しを図った後半に再三のアタックも、エラーがかさんだ。
エース格は何を語るか。複数の記者に囲まれて応じた。

——カードをもらった場面もありました。
「シンビンのところも(キックを追いかける)判断は間違っていなかったですが、遂行力(が問題)。結果がああだったので。(その間の失点については)僕が抜けたスペースを(明大が)うまく使って、(早大は)崩されてしまった。チームに迷惑をかけました」
——交錯したところを振り返ると…。
「あまり覚えていないので、映像で振り返りたいです」
——後半の連続攻撃がミスで終わったなかに考えたことは。
「きょうに限らず、我慢してアタックしようと話してきました。(トライを)獲れなかったからどう、というのは、特にないです」
——明大の防御がいつもより集中していたのですか。いつもと変わらなかったですか。
「いつもと変わらないという言い方はどうかと思いますが、明大のディフェンスは本当に強かった印象です」
——決戦に向け、セットプレーからのムーブをいくつか用意していたと思います。どれくらい披露できましたか。
「ムーブだけを用意してきたわけではありません。ただ、出せなかったから、この結果になったんだと思います」
——去年と今年で、ファイナルを終えた感覚に違いはありますか。
「自分のプレーが(勝敗に)直結していると、今年のほうが(感じる)。表現が難しいですけど」
——本当は、前年度の悔しさを晴らしたかったと思われますが。
「去年、負けているから今年、勝つ、というより、優勝が懸かった目の前の一戦で全力を尽くそうと思っていました」

2年時に日本代表デビューを飾り、現在9キャップ(代表戦出場数)を持つ。
昨秋は、国内外の代表キャンペーンに途中まで参加した。チームが加盟する関東大学対抗戦Aのシーズン中だった。「僕を日本代表に送り出してくれたことを、正しかったと証明するために、優勝したいと思います」と決意していた。
すべてを終え、こう応じた。
——一時は代表活動と学生シーンを両立していました。
「所属しているチームで全力を尽くすと、大田尾(竜彦監督)さんと話した。それは当たり前だと思っていました。いまさら後悔したり、『ああしておけばよかった』と言ったりしても、変わることはない。…何と、答えればいいですか?」
——…来年は4年生となります。この数か月の経験を活かしたいところでは。
「もちろん、経験は活かさないと経験とは言えない。ただ、来年は来年でその時に考える。その時に正しい判断をし続ければいいかなと」
——きょうのことを、どんな糧にしていきたいですか。
「自分のプレー選択が勝敗を左右するとあらためてわかった。チームを負けないようにするために、何をしなくてはいけなくて、何をしてはいけないか…。それを、痛感しました」
最後に来季への思いを聞かれ、「現時点では来年のことは見えていないです。ただチームが目指すのは『荒ぶる』(優勝時に歌える第二部歌)だと思うので、それに向けて1歩ずつ進んでいければ」と語った。