Keyword
前シーズン、シリーズ総合5位となり、トップ8に与えられるグランドファイナルへの進出も叶えたサクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)が、新シーズンも好調だ。
11月29日、30日に始まった『HSBC SVNS 2026』(7人制ラグビーの世界最高峰の男子・女子チームが集まり、それぞれ頂点を争う大会)の第1戦、ドバイ大会(UAE)で史上最高位の3位となった。
昨季大会のバンクーバー大会(カナダ)での4位を超える好成績を残した。
プールBに入った日本は初日、オーストラリアに7-31と敗れるも、続くGB(英国代表)に36-5と快勝。カナダとの試合を迎えた。
カナダは前年のシリーズ総合4位で、グランドファイナルで3位。2024年のパリ五輪では銀メダルの強豪だ。そんな相手に対し、0-12と先行されるスタートも逆転勝利を手にした。


12点ビハインドを背負った序盤戦。しかしハーフタイム前、須田倫代のラインブレイクからパスを受けた大谷芽生がトライを奪って反撃を開始した。
後半の立ち上がりにトライ、ゴールで7-19とされても残り1分30秒で松田向日葵のロングゲインから、梶木真凜、平野優芽とつないで5点を追加し、ゴールも成功して14-19とする。
そして残り時間が少なくなる中、内海春菜子→大谷で抜き去って同点トライ。平野のゴールも決まり、21-19と逆転勝ちを収めた。
その結果、2日目をカップセミファイナル、ニュージーランド戦でスタートさせたサクラセブンズは、その試合こそ5-31と敗れるも、3位決定戦でフィジーに22-12と勝利して3位、ブロンズメダル獲得となった。
フィジー戦は開始2分過ぎにオフロードパスからチャンスを広げ、最後は水谷咲良が先制トライ。逆転されるも前半5分過ぎに永田花菜が抜け出して逆転トライ、ゴールを決めて12-7とする。さらに前半終了間際に同大会でキャプテンを務めた矢崎桜子が右スミに飛び込んで17-7とし、ハーフタイムを迎えた。
後半に入り点差を詰められるも、17-12で迎えた前半4分過ぎに大谷が判断よくピッチ中央にできた防御のスキを突破。50メートルを走り切って試合を決めた。
前シーズンから大会ごとにキャプテンを替え、一人ひとりの秘めている力、リーダーシップを引き出す方針は今シーズンも継承されている。選手間のコミュニケーション能力は高まり、それがオフロードパスやアングルチェンジの判断に生かされている。
昨年は怪我で参加できなかった平野や須田ら、実績のある選手の復帰もチームにいい刺激を与えているように見える。各地大会を転戦し、過ごす時間が増すと、さらにチーム力は高まっていきそうだ。

ドバイ大会を終えてキャプテンの矢崎桜子は、「サクラセブンズへたくさんの応援をいただき、本当にありがとうございました。最高順位となるベスト3に入ることができ、とても嬉しく思っています。この結果は、これまでサクラセブンズの歴史を築いてくださった全ての選手やスタッフのおかげだと思います。次のケープタウン大会でも、皆さまをワクワクさせるサクラセブンズのラグビーをお見せできるよう、チーム一丸となってチャレンジし続けます。今後ともサクラセブンズへの応援をよろしくお願いいたします」と日本ラグビー協会を通じてコメントを出した。
勝負の時間帯にトライを決めた大谷も、「私が代表でプレーし始めてから、今回のメダルを獲得するまでに本当に時間がかかりましたし、メダルを獲得することは簡単ではありませんでしたが、どれだけ結果が出なくても応援し続けてくださった方、そして同じ目標に向かって共に戦ってきた仲間に、このような形で報告できることを本当に嬉しく思います。金メダルを獲得するために、今回大差で敗れたニュージーランド、オーストラリアの壁を越えなければならないので、今回の結果を自信にし、自分たちらしいラグビーをより高め続けていきたいと思います」と喜びの声を伝えた。
前体制時代も含め、長い時間をかけてたどり着いた3位。他の選手たちのコメントにも、ファンへの感謝の気持ちや、「全員」、「ハードワーク」、「サクラセブンズらしいラグビー」、「誇り」、「準備」と、チームが大事にしているワードがあちらこちらに見られた。
次戦は今週末、南アフリカ・ケープタウンでの大会。選手たちは自信を深めてアフリカの地へ向かう。

◆HSBC SVNS 2026/第1戦・ドバイ大会(UAE)日本代表成績
【プールステージ】
第1戦 日本代表 ● 7-31〇 女子オーストラリア代表
第2戦 日本代表 ○36- 5● 女子英国代表
第3戦 日本代表 ○21-19● 女子カナダ代表
◆順位決定トーナメント
カップ準決勝 日本代表 ● 5-31〇 女子ニュージーランド代表
3位決定戦 日本代表 ○22-12● 女子フィジー代表
◆ドバイ大会 サクラセブンズ登録メンバー
- 三枝千晃(32)
- 堤 ほの花(36)
- 梶木真凜(31)
- 内海春菜子(20)
- 大谷芽生(32)
- 永田花菜(33)
- 松田向日葵(6)
- 平野優芽(48)
- 大内田夏月(1)
- 須田倫代(21)
- 水谷咲良(22)
- 矢崎桜子(8)◎
- 山田晴楽(-)
※◎はキャプテン、( )内は直前までのキャップ数
※各大会で13名まで登録可能で、試合毎に12名(スタート7名+リザーブ5名)を登録