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ラジオ「藤島大の楕円球にみる夢」は10月6日(月)放送。佐藤優奈は喋りも熱い。
ハードワーカーの佐藤優奈さん(右)。弟の大地さんは、リーグワンD2の清水建設江東ブルーシャークスでプレーする。(撮影/松本かおり)

ラジオ「藤島大の楕円球にみる夢」は10月6日(月)放送。佐藤優奈は喋りも熱い。

ジャスラグ編集部

 イングランドの3都市で体をぶつけ、押し、走った。世界を相手に戦った日々から1か月も経っていない。
 ピッチの上では背番号4を付けるその人は、収録スタジオに向かう歩き姿からも、フォワードの柱であるオーラを発していた。

 スポーツライターの藤島大さんがパーソナリティを務めるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」が、10月6日(月)、夜6時からラジオNIKKEI第1で放送される。
 今回のゲストは女子日本代表、サクラフィフティーンの佐藤優奈(ゆな)さん。2019年11月16日のイタリア戦で初めてテストマッチに出場し、現在27キャップを得ている。

 8月から9月にかけて開催されたワールドカップ(女子)に参加して3試合にフル出場した。2022年開催の前回大会でも3戦すべてに出場したハードワーカー。所属する東京山九フェニックスではキャプテンも務めている。

 メディアガイドに記載されているサイズは170センチ、76キロ。W杯中は83キロあった(現在は80キロ)。
 2023年に怪我で入院したときには60キロ台になったから、放っておいたら痩せる体質。世界と伍すための肉体は、1時間かけて肉も魚も野菜も、脂っぽくないものをたくさん摂る食事と、ウエートトレーニングに必死に取り組んで作った。

 食事さえトレーニングの一部と言っていい歳月を過ごしたから、この人が柱となるモールは世界を相手にしても通用した。
 そうだからこそW杯初戦の相手、アイルランドに先制パンチを受けて敗れたのが悔しい。
 その試合の前、試合中に揺れた心の動きも番組で話す。

 1998 年 9 月 11 日生まれの27歳で、宮城県大崎市出身。小学 5 年生の時に地元の古川ラグビースクールでプレーを始めた。
 中学では陸上部(四種競技)に所属しながら、ラグビーも続けてセブンズのアカデミーのメンバーに選出された。高校は石見智翠館高校へ進学。入寮の際は、石巻工業高校でラグビー部だった父が車で島根まで荷物を運んでくれた(ノンストップで18時間!)。

 高校では最初はウイングも、2年生になってフォワードへ。「こっちの方が向いているな、と。すぐにのめり込みました」という。
 高校3年時はバイスキャプテン。しかし、怪我がちのキャプテンをサポートし、ゲームキャプテンとしてチームを全国高校選抜女子セブンズ大会での4連覇に導く。卒業後は慶應義塾大学へ進んだ。

 大学進学と同時に先輩からの誘いもあり、東京山九フェニックスに加わった。長く在籍して思うのは、「他がやったことのないチャレンジをするチーム。そこが好きなんです」。
 今年(2025年)2月2日には秩父宮ラグビー場で嬉し涙を流した。全国女子ラグビー選手権大会で3連覇を達成したからだ。キャプテンとしてチームを率いた。

 先のW杯でもアイルランド戦に敗れた後、顔をくしゃくしゃにして泣いた。
 しかし、闘争の気持ちはなくさなかったから、2戦目のニュージーランド戦では敗れるも、チームとして積み上げてきたものを出し切れた。そしてそのパフォーマンスは、3戦目のスペイン戦での勝利を呼ぶ。

 フォワードコーチのマーク・ベイクウェルに鍛えられ、「チームの強みはモール」と言えるようになったことが誇らしい。徹底した反復練習で毎日ヘトヘトになった。トレーニングを終えると自然と涙が出てくるほどの厳しさを経て手に入れた武器だ。
 2022年に対戦した時にはまるで歯が立たなかったニュージーランドを、今回のW杯では押せた。

 藤島さんは、彼女の動きを「ひとつの仕事を終えたら、次のところへ吸い寄せられるように向かう」と評した。本人は「グラウンドに寝ているのが嫌なんです」と答えた。
 ポジションはロックでも、生き方はブルース。魂でプレーする人は、話すことにも一生懸命。その思いが耳から入ってくる。

▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で10月6日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャストで番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。10月13日の同時刻には再放送がある。


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