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【Just TALK】「何とかなる…みたいな考えを、このプレシーズンに叩き直す」。稲垣啓太[埼玉パナソニックワイルドナイツ]
体のメンテナンスを進め、万全に近づくスピードも高まっている。(撮影/松本かおり)
2025.09.12
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【Just TALK】「何とかなる…みたいな考えを、このプレシーズンに叩き直す」。稲垣啓太[埼玉パナソニックワイルドナイツ]

向 風見也

 埼玉パナソニックワイルドナイツの稲垣啓太が、チーム始動から2日目の8月26日に取材に応じた。12月開幕の国内リーグワンを見据える。

 同リーグ初年度を最後に日本一から遠ざかり、今年6月までのシーズンではプレーオフの準決勝で敗退。自身も怪我などで出場機会が限られていた。いまは復調ぶりをアピールする。ジョークを交えつつ、理路整然と語った。

——練習を見る限り、不安なく動いているような。

「いやいや、全然です。まだやっていないもの(練習)もある。まだ、全部には混ざれていないんです」

2024-25シーズンは12試合に出場(11戦先発)。日本代表キャップ53(撮影/松本かおり)


——昨季終了後はどう過ごしてきましたか。

「何も明かさずに生活してきました。何も明かす気はないです!

 …リフレッシュは、しにいきました。ただ、メニューはある。自分が作っているものも、(専属の)トレーナーから個別に渡されているものも、またチームからのものも。

 むちゃくちゃ身体がきつかったです。1か月、(海外の旅先で)ジムと契約して…。なぜ俺は、旅行に行ってスパイクを履いているのだと。

 別に、休みだから何かをしない、もしくは何かをする、ということはないんです。(身体を動かすことは)生活の一部で、当たり前のことです。朝5時に起き、1時間をかけてストレッチをして身体を起こし、6時からコンディショニングセッション。それが終わってからはリハビリセッション、それが終わってからは、もう少し細かいことを。そして午後にフィジカルのトレーニングがある。

 流れは一緒。(意図的に)そうしているつもりはないんですが、身体のことを考えたらそうなる」

——稲垣選手をはじめ、この時期に代表活動でチームを離れがちだった複数の選手が最初からチーム練習に加わっています。雰囲気は。

「どうでした? 僕も、最初からいるのは久しぶり。去年もいるにはいましたが、別メニューでした。今年はほぼほぼ全部やっていて、練習にもスタートから入れていて、チームによる(体力系の)テストもクリア。いい状態です。

 雰囲気は、悪くはないです。おおざっぱですが。

 初めに、昨季何で負けたか(を確認)。それは大きく3つのブロックにわかれるんですけど…言わないでおきましょう!

 皆さんもわかっているでしょう。これだけは言っておきます。ボールロストが多すぎた。プレッシャーがかかったらすぐにボールロストをするのが、うちの弱さです。一見、いいように見せて、『あ、これがワイルドナイツだ』という雰囲気を出すんですが、実際は何てことないんです。『何とかなる…』みたいな考えが蔓延して、いまのチームを作ってきた。…というところを、このプレシーズンに叩き直す。僕は(役割上)何も言わないですけど」

指導体制も変わり、活気あるプレシーズンを送っている。(撮影/松本かおり)


——指揮官がロビー・ディーンズさんから金沢篤さんに代わりました。稲垣さんの役目に変化はありますか。

「わかりますか? 僕、今回、どこを見ていると思います?」

——全体練習後、複数のフォワードの選手を集めて接点周りのパス交換について話していたような。

「…僕が、アタックリーダーなんです。俺が何をアタックするんだと。…ちゃんと、意図はわかっています。タイトファイブ(前5人)という限定されたエリアにおけるアタッカーにどういう役割、ディテールがあって、それをどうプレッシャー下で発揮できるか。それを、僕に落とし込んでほしいのではと」

 日本代表としてはワールドカップに3度出場。約9年ぶりに復帰したエディー・ジョーンズヘッドコーチ率いるいまの体制下ではまだプレーしていないものの、第1次政権時に師事したジョーンズとは「話しています」とのことだ。
「コンディションがよければ、パフォーマンスがよければ、選んでもらえるんじゃないですかね」と、復帰への意志を覗かせる。




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