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オークランドにあるニュージーランドラグビーの聖地、イーデン・パーク。2026年3月7日、スーパーラグビー・パシフィック第4節、ブルーズ対クルセイダーズの伝統の一戦が開催された。
ニュージーランド国内における最大のライバル関係と言っても過言ではないこのカード。現地での試合の模様をレポートする。
今シーズンの両チームは、第3節を終えた時点で共に1勝。クルセイダーズは前年度チャンピオンでもあり、本来のポテンシャルを考えれば苦しいシーズン序盤だ。
しかし前週は、強豪チーフスを下して復調の兆しを見せた。勢いを持ってこの一戦に臨んだ。
対するブルーズは、イーデンパークでの直近のクルセイダーズ戦で4連敗中。意地でもホームで負の連鎖を断ち切りたい状況だった。

【写真上中央】ウォーミングアップ中のブルーズWTBケイレブ・クラーク。バックスの中では、その体の分厚さが際立っていた。
【写真右上】オールブラックス経験もあるブルーズのPR、オファ・トゥウンガファシ。この日も1番で先発。
【写真左下】クルセイダーズのウォーミングアップ中のスクラムの様子。右側で黒いスーツで見守るのが、NTTコム、豊田自動織機やU20日本代表でも指揮をとったロブ・ペニーヘッドコーチ。
【写真右下】ブルーズ選手の入場の様子。現地NZ夜の7時だが、まだ昼間のような明るさ。
注目のスターティングメンバー。
ホームのブルーズは、ダルトン・パパリィイ(FL)をキャプテンに据え、ホスキンス・ソトゥトゥ(NO8)、フィンレー・クリスティ(SH)らが順当に名を連ねた。
さらに試合直前の変更で、今季初出場となるボーデン・バレット(SO)がスタメンに抜擢されたことが会場を大いに沸かせた。
一方のクルセイダーズには、デイヴィッド・ハヴィリ(CTB)がゲームキャプテンを務め、イーサン・ブラックアダー(FL)、セブ・リース(WTB)、そして経験豊富なHOであるコーディー・テイラーらの名が並ぶ。強力な布陣で敵地に乗り込んだ。
オールブラックスのFB、クルセイダーズのスターでもあるウィル・ジョーダンは深刻な負傷ではなく、軽微な疲労からの回復とコンディション調整のため、この試合は欠場となった。
試合は序盤からブルーズが主導権を握る。
前半わずか9分までに左WTB、ケイレブ・クラークがたて続けに2つのトライを奪う。
クルセイダーズはドム・ガーディナーのハイタックルによるシンビンで数的不利に陥り、防戦を強いられた。

【写真左下】後半敵陣でのクルセイダーズのラインアウト。この日はラインアウトでのボールロストも多く、クルセイダーズは終始ピリッとしなかった。
【写真右下】ブルーズWTB、コデメル・ヴァイのトライ後、ボーデン・バレットによるコンバージョンキック。
さらにブルーズは、バレットの絶妙なショートキックに反応したWTBコデメル・ヴァイが、インゴールぎりぎりでボールを押さえる見事なトライを追加。前半21分で19-3とリードを広げた。
しかし、王者クルセイダーズも黙ってはいない。前半終盤、ブルーズのクラークがインテンショナル・ノックフォワードでイエローカードを受けて退場すると、その隙を逃さなかった。
HOテイラーのトライを皮切りに、SOリベス・ライハナも躍動して連続トライを奪い、19-13と6点差まで詰め寄って前半を折り返した。
後半は、ニュージーランド特有のフィジカルとスキルの高次元なぶつかり合い、そして息を呑むようなディフェンスの応酬となった。
点差を詰められてプレッシャーのかかるブルーズだったが、ピッチに戻ったクラークがこの日3つ目となるトライを挙げて見事ハットトリックを達成(後半9分)。再び26-13とリードを広げ、主導権を引き戻す。
試合終盤、なんとか食らいつきたいクルセイダーズは敵陣深くで猛攻を仕掛ける。しかしブルーズのディフェンス陣が壁となって立ちはだかった。
自陣ゴール前でCTBレスター・ファインガアヌクの強烈な突進をザヴィ・タエレ(CTBピーター・アキと入替で出場)が強固なタックルで止め、ソトゥトゥがボールをこぼさせる。
さらにパパリィイやヴァイがブレイクダウンで的確なジャッカルを決め、クルセイダーズの攻撃の芽をことごとく摘み取っていった。最後は74分にバレットがペナルティゴールを落ち着いて沈め、29-13でフルタイムを迎えた。

【写真右上】試合終盤に交代した直後のケイレブ・クラークの様子。この日3トライを決め、観客から労いの声援が飛んだ。
【写真下】試合終了直後の様子。すでに一部観客が帰り始めていることを考慮しても、スタンドの様子は少し寂しい。
ブルーズがイーデン・パークでのクルセイダーズ戦の連敗を止め、価値ある今季2勝目を手にした。
クルセイダーズは、敵陣深くに入ったものの、ノックフォワードなどのミスでチャンスを逃し続けた印象。ピリッとせず、チーム状況も良くない様子だった。
もがき苦しむ名門クルセイダーズは、どう這い上がっていくのだろう。