![【Just TALK】カナダ戦で2トライ。「この身体で何ができるかを考えながらやっていく」。石田吉平[日本代表/WTB]](https://www.justrugby.jp/cms/wp-content/uploads/2025/08/0G8A8985.jpg)
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ラグビー日本代表は8月30日、宮城・ユアテックスタジアム仙台で環太平洋諸国、北米大陸勢とのパシフィックネーションズカップ(PNC)の初戦に挑んだ。
世界ランクで11位下回る24位のカナダ代表に57-15で勝った。
前半こそ反則を重ねて17-10と手こずるも、向こうに疲れの見えた終盤は大量得点を奪った。
就任2年目のエディー・ジョーンズヘッドコーチは言う。
「(戦前に2キャップ以下の選手が23名中10名という布陣ながら)1週間いい準備ができました。本人たちの期待値が高いなか、前半はその気持ちゆえに『行き急いで』うまく展開ができず、個人プレーに…。ハーフタイムにワーナー(・ディアンズ共同主将)を中心に修正を促し、それに選手も反応してくれた。チーム一丸となり、後半40分で40得点。評価できると思います」
殊勲者のひとりは石田吉平。身長167センチと小柄な25歳は、ウイングとして3キャップ目を取得し、後半37分、44分と、テストマッチ初も含む計2トライを挙げた。
高い弾道のキックの競り合いで後手を踏むなど課題も残したが、再三の鋭いタックル、要所でのルーズボールへの反応も光った。
試合後は着替えを済ませると、スタンド下のミックスゾーンに登場。8月中旬からの宮崎合宿の所感、今後の展望についても語った。

——最初にカナダ代表戦でのパフォーマンスについて聞きます。まず前半20分、自陣ゴール前右で相手のフォワードの選手をタックルで跳ね返すシーンがありました。
「あれは、僕というより後ろから押してくれた(フッカーの江良颯が後方支援)」
——後半15分にNO8のファカタヴァ アマト選手が仕留める連続攻撃の途中、敵陣22メートルエリア右端にいた石田選手はうしろに逸れたパスをセービングし、起き上がるや一気に駆け上がりました。
「あれは普通にセービングをしたら、(タックルを狙う)相手が僕の上を越しちゃった。ラッキーな部分が多かったですね」
——後半37分には、敵陣ゴール前右のラインアウトからのサインプレーでフィニッシュ。パスを出すフッカーの佐藤健次と交差して抜ける形でした。
「練習時と空いているスペースが違ったんですが、そこでも健次が臨機応変にボールを放ってくれた」
——ノーサイド直前のトライシーン。敵陣ゴール前左で接点周りへ鋭角に駆け込み、球をもらった瞬間に右側へ弧を描くように駆けてゴールラインを割りました。
「ボールをもらった瞬間にスペースを探して…という形。ラッキーでした。もっとフットワークで相手を翻弄できるようになりたいです」

——キックボール(ハイボール)の奪い合いについてはいかがでしたか。
「ゼロ点に近いです。(小兵とあり)狙われますし、逆にここを強みにしたらそこからチャンスを作れる。練習したいです。きょうは(ジャンプの前に)邪魔をされ、自分のタイミングで跳べませんでした。ランコース、より速く走り込むことを(改善したい)。ライブ(実戦)で、感覚を磨きたいです。
身長を言い訳にしたら終わってしまうので、この身体で何ができるかを考えながらやっていきたいです」
——翌週からはアメリカに渡って戦います。海外への適応力は。
「自分はどこでも寝られますし、何を食っても大丈夫なタイプ。そこは安心です」
——昨年まで男子7人制日本代表として世界転戦を繰り返していましたね。
「そうですね。そこ(海外への耐性がついたこと)はありがたいです。経験が役に立っています」
——ここからはキャンプ中のトレーニングなどについて聞きます。国際舞台を見据え、サイズアップに努めているのでしょうか。
「パワーも必要です。自分の身体と相談し、大きくしながらスピードアップできるようにしたいです。
(ホテルでは)いいご飯を食べさせてもらっています。毎日、違うお肉を出してもらっています」

——あらためて、石田選手のアピールポイントは。
「正直、代表に来ているウイングの中では足も速くない。フィジカルも劣っている。何で違う色を出せるかと言えば、チェイス(味方のキックを追いかける動き)のところとか、相手の嫌なことをするとか、ハードワークすること。すごいバックスリー(ウイング、フルバックの総称)がいる日本代表で試合に出て世界の選手と渡り合うには、自分の色を出したい。ラグビー選手としてじゃなく、石田吉平というプレーヤーとして試行錯誤していかなきゃいけないです」
——最後に、この大会を通しての目標は。
「トライを獲り切る。求められる選手になる。たくさんボールを要求し、一戦一戦、成長し、優勝したいです」
石田を「チェスリン・コルビ(南アフリカ代表が擁する身長172センチのランナー)のようになれる」と評価していたジョーンズは、最後のトライを指してか「終盤に見せた、ボールを自らもらいにいくプレーをまさに求めていた。積極的に球に絡み、脅威になる…。足が鈍くなったフォワードを狙う…」と讃えた。
そして、こうも続けた。
「まだまだ粗さはありますが、ゲームをするほど伸びるでしょう」