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七夕の夜、7月7日(月)は『藤島大の楕円球にみる夢』を。黒羊のロックな男、登場
190センチ、110キロは、やっぱりデカい。藤島大さんが着るのはチリ代表のジャージー。(撮影/松本かおり)
2025.07.06
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七夕の夜、7月7日(月)は『藤島大の楕円球にみる夢』を。黒羊のロックな男、登場

ジャスラグ編集部

 その10日後にチームから引退の発表があるとは、誰も思わなかっただろう。

 リコーブラックラムズ東京の柳川大樹(やながわ・だいき)は5月11日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた2024-25シーズンの最終戦、後半の最初からピッチに立った。そしてその40分、いつものようにダイナミックに動き、チームの勝利に貢献した(67-22)。
 ブラックラムズでのトップリーグ/リーグワン通算出場試合数を107に伸ばしてブーツを脱いだ。

 スポーツライターの藤島大さんがパーソナリティを務めるラグビー情報番組「藤島大の楕円球にみる夢」が、7月7日(月)、夜6時からラジオNIKKEI第1で放送される。

 今回のゲストはNTTジャパンラグビー リーグワン、2024-25シーズンのディビジョン1で7位だったブラックラムズで14シーズンにわたりプレーしたフォワードマン、柳川大樹だ。
 2011年の入社以来、ロックやフランカーとして体を張ってきた36歳は、すでに働きの場を職場に移している。

 徳島市出身。徳島県立城東高校でラグビーを始めた。中学校までバスケットボールに熱中していた少年は、兄と同じ高校に入り、同じ部活へ。そこで楕円球と出会う。3年生時に花園(全国高校大会)に出場し、1回戦で岡谷工業に勝った。徳島県勢として36年ぶりの初戦突破だった。

 高校時代に20センチ弱身長が伸び、逞しい肉体を手に入れたロックは(現在191センチ)、大阪体育大学へ進学。坂田好弘監督率いるチームで地金を鍛えられた。
 4年間の間、優勝したのは同志社大、関西学院大、天理大と、白×黒のジャージーは頂点には立てなかった。しかし、見ている人はいた。

 3年時の菅平合宿だった。当時ブラックラムズの指揮を執っていたトッド・ローデン ヘッドコーチが練習試合を見て、高く評価。名門社会人チームへの扉が開く。
 2011年の春に世田谷区砧の住人となった。

 もともと運動能力が高くタフだからだろう。国内最高峰リーグに加わっても、最初からイケる体感があったという。「外国人選手のフィジカル面の強さには驚きはありましたが、やっていけるぞ、と思いました」と当時を回想する。

 S&C担当コーチのサポートもあり、より逞しさを増した。FWの2列、3列なら、どちらも高いレベルでプレーできる選手へと成長する。しかし、ラグビーのプレーと性格は密接に関係していると本人は分析する。
「自分としては3列でのプレーの方が面白いが、(うまくプレー)できていたのはロックでした」

「痛いのとかきついのは好きじゃなかったです」と言うのは照れ隠しだろう。
 ハードなタックルと、チームを前に出すボールキャリー。仲間に勇気と勢いを与える存在だった。

 2011年には7人制の日本代表として、9月にボルネオで行われたアジアセブンズシリーズのメンバーとして日本の優勝に貢献した。セブンズワールドシリーズのオーストラリア大会にも出場している。
 15人制代表でも1キャップ。2017年、韓国が舞台となったアジア選手権の日本代表に選ばれた。
 才能の豊かさと責任感の強さがないと、その勲章は得られない。

 現役生活を終えて、いま営業の仕事に就いている。セールス先は主に官庁。大きな体躯は、話のきっかけを作ったり、気に入られたり、いまも自身を支える武器。「勉強することばかり」という毎日だけど、「残りの人生は長い」と自ら決断したことだから意欲的に職務に関することを学んでいる。
 格闘の場は満員電車となった。

 さっぱりした性格が話しぶりからも伝わる。
 だから仲間や後輩たちにも慕われる。ラストシーズンを終えた後の納会では、愛する先輩への愛情が溢れる光景が見られたそうだ。

 番組内では、チーム愛や後輩たちへの期待を込めた言葉も聞くことができる。
 飾りのない言葉や表現が綴られる、フォワードっぽい時間がオンエアされる。

▽ラジオ番組について
 ラジオNIKKEI第1で7月7日夜6時から全国へ放送。radiko(ラジコ)のサービスを利用して、PCやスマートフォンなどで全国無料にて放送を聴ける。音楽が聴けるのは、オンエアのみの企画。
 放送後も、ラジコのタイムフリー機能やポッドキャストで番組が聴取できる。U-NEXTでも配信予定。7月14日の同時刻には再放送がある。


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