logo
モウンガ、2026年7月からNZラグビーと契約。故郷クライストチャーチは、特にわくわく
ワールドカップの優勝は未経験。2027年大会では必ず頂点に立ちたい。写真は2023年大会の決勝。(撮影/松本かおり)
2025.08.07
CHECK IT OUT

モウンガ、2026年7月からNZラグビーと契約。故郷クライストチャーチは、特にわくわく

ジャスラグ編集部

 ニュージーランド(以下、NZ)が沸いている。
 東芝ブレイブルーパス東京に所属し、リーグワン2023-24、2024-25とチームを連覇に導いたSOリッチー・モウンガが2025-26シーズンを終えると王国に戻り、NZラグビーに復帰するからだ。
 8月7日に発表された。

 NZラグビー協会の発表によると、同協会とモウンガは2026年7月から2027年末まで、18か月の契約を結んだ。同選手とブレイブルーパスの契約は3年で、2025年12月に開幕する新シーズンで満期となる。
 NZ協会との新しい契約によりモウンガは、2026年のNPC(NZの国内州対抗選手権)と2027年のスーパーラグビー・パシフィックでプレーする。
 2026年10月以降はオールブラックスの選考対象にも含まれることになるようだ。

 例年だと8月から10月にかけて開催されるNPCが、モウンガのNZ国内復帰戦となるだろう。
 それだけに、以前も、そしてこれからも所属するカンタベリー協会、地元ファンの喜びの声は特に大きい。

 同ラグビー協会のトニー・スメイルCEOは、「リッチーはクライストチャーチとカンタベリーに深いルーツを持つ選手。また、赤と黒のジャージを着る姿を見られるのは本当に嬉しいことです」と喜びのコメントを出した。
「彼は卓越したプレーヤーであると同時に、謙虚さとプロ意識を持って、常に行動してきた模範的存在。ファンも心から歓迎してくれるはずです」

ブレイブルーパスのファンへ、「是非12月14日の開幕戦から試合会場へお越しください」。味の素スタジアムでワイルドナイツと戦う。(撮影/松本かおり)


 同協会ハイパフォーマンス部門の責任者を務めるティム・ハースト氏は、経験豊富な名手の復帰による、若手選手への影響力を期待する。

「リッチーのような世界的選手がこの環境に戻る。グラウンド内外で計り知れない影響をもたらします。その経験とリーダーシップは周囲を引き上げる。我々の育成システムを信じて努力すれば夢が叶うということを、若い選手たちに伝えてくれるでしょう」

 そんな歓迎の声に対しモウンガ自身も、「クライストチャーチは自分にとってのホームであり、カンタベリーはラグビー人生の原点です。赤と黒のジャージをふたたび身にまとい、自分に多くを与えてくれたこの地域を代表できるのが待ちきれません。カンタベリーでプレーするのはいつだって特別なこと」と期待に応える。

 来日以前は、カンタベリーの生え抜き選手として愛されていたモウンガは、同代表として51試合に出場し、NPCで4度の優勝を経験している。
 クルセイダーズでは109キャップで7連覇(1230得点)。オールブラックスとして56試合に出場し、2019年、2023年のワールドカップで、3位、準優勝という成績を残した。
 2027年のワールドカップでは必ず優勝したい。

 クルセイダーズを率いるロブ・ペニー ヘッドコーチは、今回のチームへの復帰について、「リッチーは、このクラブに深く根ざした存在。まさに、真のクルセイダー」と、歓迎の気持ちを最大級の表現で示した。
 そして、こちらもNPCカンタベリー代表同様、周囲への影響力に期待している。
「すでにチームには素晴らしい才能が揃っています。しかしリッチーが戻ってくることで、チーム全体のレベルがさらに引き上げられ、彼の残すレガシーは、この先も長く生き続けるでしょう」

周囲に影響を与える人。ブレイブルーパスでも仲間の力を引き出した。(撮影/松本かおり)


 クルセイダーズのコリン・マンスブリッジCEO氏は「このクラブでは『思いやり』という言葉がよく使われます。リッチーほどクラブとチームに深い思いを持つ選手はいません。彼は、周囲の人間の力を最大限に引き出す天賦の才を持っている」と、31歳の内面に触れる。

 モウンガ自身も、「クルセイダーズは、プレーヤーとしてだけでなく、人としての自分を育ててくれた」と話している。

 オールブラックスは2015年大会以来、ワールドカップでの優勝から遠ざかっているだけに、ニュージーランドラグビー協会のマーク・ロビンソンCEOも、「リッチーが再びニュージーランドラグビー、クルセイダーズ、そしてカンタベリーにコミットしてくれたことを、非常に嬉しく思います」と喜びのメッセージを出した。

「世界最高峰の舞台で何度も結果を出してきた確かな実力者。その経験とリーダーシップは、彼が戻る環境にとって大きな財産となるでしょう」

 ブレイブルーパスから日本のファン向けに出した本人のコメントには、「今シーズン終了後、ニュージーランド協会と契約を結び、自分の目標の一つであるワールドカップ優勝を目指します。今シーズンは、引き続きブレイブルーパスにすべてを捧げ、ベストパフォーマンスを出せるように準備していきたいと思います」とある。

 期待以上のパフォーマンスを見せる男。日本でのラストシーズンも、規格外のプレーでファンを喜ばせ、帰還を心待ちにするキウイたちのわくわく感を大きく膨らませそう。



ALL ARTICLES
記事一覧はこちら