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【南アフリカコラム/詳しすぎるURC決勝レビュー】レンスターの壁高し。ブルズ、力負け。
完勝の試合内容に、レンスターのシャンパンファイトも豪快。(Inpho Photography)

【南アフリカコラム/詳しすぎるURC決勝レビュー】レンスターの壁高し。ブルズ、力負け。

杉谷健一郎

◆両雄相まみえる。それぞれの軌跡。


 ボーダコム・ブルズ(ブルズ)のジェイク・ホワイト ヘッドコーチ(以下、HC)はユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(URC)のファイナル(決勝/6月14日)を前に「これはアイルランド代表対ブルズの戦いになる」と決意を新たにした。

 ホワイトHCは決して大袈裟に言ったわけではない。実際、決勝に臨むレンスター・ラグビー(レンスター)の先発メンバーは12番のオールブラックス、ジョーディー・バレットとSHルーク・マグラー以外は全員が今年のシックスネーションズのアイルランド代表チームのメンバーなのだ。マグラーも今年のスコッドにはたまたま入れなかっただけで代表キャップ19を持つ国際レベルの選手だ。

 リザーブに目を移しても、18番のフランス代表、ラバ・スリマニ、そして19番のスプリングボックス、RG・スナイマン以外もほとんどが「現役」または元アイルランド代表の選手で構成されている。それもそのはずで、前の記事にも書いたが、レンスターは今年の代表スコッドに23名も送り込んでいる。さらにシックスネイションズ開催中にケガ人等の補充でさらに3名が追加されたので最終的には合計26名の代表選手を擁する。

 例えばレンスターからフッカーは3名、プロップは5名、センターには4名も代表に選ばれている。つまり、23人という制限があるので、この決勝でもピッチに立てず、スタンドから応援している代表選手も何人かいるということである。

 もちろん、レンスターがこれほど多くの優秀な代表選手と契約できた背景には、資金力とブランド力の高さがある。実際、デンマークに拠点を置くスポーツメディアLente Desportivaによれば、レンスターの推定年間収益は3440万ポンド(約68億円)で、世界で2番目に裕福なクラブとされている(※1位はフランスのスタッド・トゥールーザンで3,870万ポンド=約76億円)。これに対し、南アフリカのフランチャイズはいずれも15位以下の圏外にとどまっている。
 とはいえ、あまりにも代表選手がレンスターに集中しすぎている印象は否めない。トップレベルでの出場機会やアイルランドの他3チームとの戦力均衡を考えると、もう少し代表クラスの選手を他チームに分散させたほうが良いのではないか――そんな思いもよぎる。ただ、アイルランド代表はワールドラグビー・ランキングでも常に上位に位置しており、この状況が特段問題視されているわけではない。外野がとやかく言う話ではないのだろう。これ以上は控えておくことにする。

 さてレギュラーシーズンを16勝2敗の総合順位1位で終えたレンスターはURCとしては初優勝を狙うということになる。しかし、前身の2001年に発足したセルティックリーグから数えるとレンスターは8回優勝しており、2番目に優勝回数が多いマンスター・ラグビー(アイルランド:4回)とオスプレイズ(ウェールズ:4回)に大きく水をあけている。リーグ1の強豪といっていい。
 ただレンスターが最後に優勝したのはやはり前身のPRO14時代の最終シーズン2020-2021年なので、4年間も勝利の美酒から遠ざかっている。

 そして、レンスターは2021年にURCとなってからは、3年連続でプレーオフの準決勝で敗退している。特に2001-2002年、そして2002-2003年、レギュラーシーズンの総合順位では1位になったものの決勝にも手が届かなかった。特に2001-2002年の準決勝はホームに今回の相手であるブルズを迎え、トライ数では4-2と勝ったものの、最終的には26-27と惜敗する屈辱を味わった。

 そのような背景もあり、この決勝ではレンスターは何としてもブルズから勝利を挙げ、重量が20キロあるという優勝トロフィーを試合会場となるクローク・パークの大観衆の前で掲げたいところだ。ちなみに今シーズン、レンスターはホーム、ダブリンでは11連勝中だ。

決戦前のレンスターNO8ジャック・コーナン主将(左)とブルズFLルアーン・ノルキア主将
(Inpho Photography)


 レンスターは準決勝のメンバーからはケガのため欠場の可能性が報じられていたCTBギャリー・リングローズとFLジョシュ・ファンデルフリーアーのブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ組が復帰。しかし、試合直前になり不動のSHジャミソン・ギブソン=パークが無念の欠場となり、前述のマグラーが先発に昇格した。そしてリザーブSHとしてアカデミーから21歳のフィンティン・ガンが試合当日の朝に召集された。

 一方、レギュラーシーズンを14勝4敗の2位で終えたブルズは、URC発足以来3年連続でプレーオフ進出を果たしている。2021-2022年、そして2023-2024年シーズンにはそれぞれ決勝に進出したが、DHLストマーズに13-18で、グラスゴー・ウォリアーズ(グラスゴー)には16-21で惜敗した。特に昨シーズンは、ホームのロフタス・ヴァースフェルド・スタジアムに優勝の喜びを味わいたいと集まった5万人のファンの目の前で、後半62分にグラスゴーのスコットランド代表CTBヒュー・ジョーンズに逆転トライを奪われるという、痛恨の敗戦を喫している。

 ブルズはこれまでURCでレンスターと6度対戦し、4勝を挙げている。そのうちの1勝は、前述の2021-2022年シーズンの準決勝で、敵地ダブリンに乗り込んでの歴史的勝利だった。また今季レギュラーシーズンではアイルランド4チームすべてから勝利を収め、いわば“URCアイリッシュ・グランドスラム”を達成している(※レンスター:16-13、マンスター:21-20、アルスター:47-21、コナート:28-14)。これを見る限り、今季のブルズはアイルランド勢と相性が良かった。

 ただし、肝心のレンスター戦(第13節)については注意が必要だ。その試合は6か国対抗終了から1週間後という日程で行われたため、レンスターの主力代表選手の多くは出場していなかった。今回の決勝で先発したメンバーのうち、第13節にも先発していたのは、助っ人のバレットを含めてわずか4名。つまり、レンスターは事実上1.5軍だったと言ってよい。

 ブルズもあと一歩で優勝というところで足踏みをしている状態が続いており、選手、関係者そしてファンも今年こそはという思いは強かった。

 今回のファイナルではブラインドサイド・フランカーとしてチームを牽引し、今回久々にスプリングボックスにも選出されたキャプテン、ルアーン・ノルキアは、レンスターとのレギュラーシーズン13節での勝利をまったく重視していない。「これまでうまくやれていることを、このまま継続するだけ」と、普段通りの姿勢を強調していた。

 また、敵地ダブリンでの決勝という状況にも動じていなかった。「今年はアウェイでも良い結果を残せている。遠征に出ることで、チーム内の結束がより強まっていると感じる。」と、むしろ前向きに捉えていた。

 ホワイトHCは警戒を隠さない。「ここ4年間で、レンスターは最も手強い相手。ブルズの選手たちは、おそらく今までに経験したことのない試練に直面することになるだろう。だからこそ、ハードワークと質の高いプレーが求められる」と語っていた。

 そのうえで、こうした大一番ではベテランの存在が極めて重要になると続けた。「FBウィリー・ルルー、FLマルコ・ファンスターデン、WTBカナン・ムーディは、いずれもワールドカップ優勝を経験している。決勝戦で何が通用し、何が通用しなかったのかを、チームに伝えられる選手たちがいるというのは大きい」。

 ホワイトHCに名指しされたFBウィリー・ルルーは、決勝を前にして次のように語った。

「今シーズン、我々はお互いのことを思いながらプレーし、その時間を心から楽しんできた。その積み重ねが、チームをこの決勝の舞台へと導いてくれた。特別なことをする必要はない。これまで通り、シーズンを通してやってきたことを繰り返すだけだ。余計なプレッシャーは必要ない。仲間たちのために、そして、もう一緒に戦うことのできない友のためにプレーする。」

“もう一緒に戦うことのできない友”― それは、先月急逝したコーネル・ヘンドリックスのことだ。

 ルルーとヘンドリックスは、ともに西ケープ州ウェリントンを本拠地とするボーランド・カヴァリアーズ(※現在はカーリーカップ2部相当のファーストディビジョンに所属)でプロキャリアをスタートさせた。ルルーは2年後輩にあたるが、その後も2人はチーターズへと移籍し、途中まで同じ道を歩んだ。そしてキャリアの終盤、ブルズで再び袂を連ねることとなる。キャリアの初期と晩年に、プロ選手として同じ時間を共有してきた2人。ルルーにとってヘンドリックスは、文字通り“兄貴分”とも呼べる特別な存在であり、その喪失への想いは、誰よりも強いものだったに違いない。

 決勝を前に、ルルー以外にも多くの選手がインタビューで「コーネルのためにも…」「コーネルと一緒に戦う…」と口にしていた。ヘンドリックスがいかにチーム内で大きな存在だったかが、あらためて伝わってくる。

 さて、ブルズはここ数年、あと一歩のところで優勝に手が届かず、悔しい思いを繰り返してきた。今年こそは――。その思いは、選手、関係者、そしてファンの間でかつてないほどに高まっていた。

 本来であれば準決勝からの先発メンバーに変更はない予定だった。しかし、その準決勝で、攻撃の起点として何度も突破口を切り開いてきたNO88キャメロン・ハネコムが負傷し、決勝は欠場を余儀なくされた。代わって、準決勝で6番を務めていたマルセル・クッツェーがNO8に移動し、6番にはリザーブからファンスターデンが、またバックローのリザーブ枠には、経験豊富なニーザム・カーが入った。カーを含め、ブルズのバックロー陣はいずれも現役または元スプリングボックスという実力者揃いだが、それでもドウェイン・フェルミューレンの後継候補最有力として注目されるハネコムの不在は大きな痛手だ。

 レンスター=アイルランド代表ということを冒頭に記したが、ブルズも6月5日に発表された今シーズンのスプリングボックスに10名の選手を送り出している。この決勝にもその内7名が出場した。ただし、今回のスプリングボックスはラッシー・エラスムスHCの “選手層の拡充”を目的とした方針により54名という大規模な選出となっている。いわば代表候補に近い存在であり、シックスネーションズに臨むために選ばれたアイルランド代表とは、その位置づけに違いがある。スプリングボックスの方は、今後、テストマッチを通じて本当に代表としてプレーできる選手が選抜されていくことになり、最終的には人数も半数程度に絞り込まれる見込みだ。

 全体的なスタッツをふり返ると、レギュラーシーズンでレンスターの得点獲得数は612点、ブルズは609点、トライ数は89、80とアタック面では拮抗している。しかし、失点をみるとレンスターがリーグ内で断トツに低い256点でブルズは361点。つまりレンスターのディフェンスは固く、ブルズは恐らくは貴重な得点機会を確実にモノにする必要がある。
 そして、ブルズがスタッツで唯一レンスターに勝っているのがスクラム勝率95%(※レンスターは89%)だ。前回の記事でも書いたがブルズの勝機はスクラムと予想された。

4万6127人のファンの前でレンスターの選手たちが歓喜に浸った。(Inpho Photography)


◆ブルズ、レンスターのフィジカルに屈す。


 ここまでの文章は決勝前に期待をこめて書いたものだった。

 結果としては32-7。内容的にはブルズのほぼ完敗といってもよいだろう。

 まず天候が悪かった。試合前、屋根のないスタンドで雨合羽を着ている観客の姿を見たとき、どこか嫌な予感が頭をよぎった。前日から降り続いた雨は試合当日も止まず、前半終了まで降り続けた。もちろん、両チームにとって自然条件は同じだが、南アフリカではヨーロッパに比べて雨中での試合は少なく、ピッチも比較的硬めの状態であることが多い。その意味では、その試合環境に慣れているレンスターにとってやや有利なコンディションになったのかもしれない。

 イタリア人レフリー、アンドレア・ピアルディの笛で決戦は始まった。ピアルディがURC決勝の主審を務めるのは、これで3年連続となる。さらに来月には、ブリティッシ&アイリッシュ・ライオンズのオーストラリア遠征において、第2テストマッチのレフリーを務める予定だ。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのテストマッチにおいて、イタリア人が主審を務めるのは史上初の快挙となる。

 準決勝の記事では、ブルズがシャークスに対して3度目のスクラムで圧倒した瞬間に、勝利が見えたと記した。だが、決勝では真逆の光景が広がっていた。
 ファーストスクラムで、早くもこの試合がいかに厳しいものになるかが予感された。これまであらゆる相手を圧倒してきたスクラムで、ブルズが初めて劣勢に立たされた。ブルズのフロントローはスクラムに入る前から相手との間合いをうまく取れず、ヒットの段階で当たり負けしていた。さらに、ピッチの柔らかさのせいか、PRヤン=ヘンドリック・ウェッセルズはスパイクのポイントの引っかかりを頻繁に気にする様子を見せていた。結果として、ファーストスクラムでブルズはコラプシングの反則を取られた。

 この流れで勢いに乗ったレンスターは、そのまま敵陣ゴールまで攻め続け、前半6分、キャプテンのNO8ジャック・コーナンが先制トライを奪う。さらに13分にはCTBバレット、22分には復帰したばかりのFLファン・デル・フリーアーがトライを追加。わずか20分あまりでスコアは大きく開いた。この時点でホワイトHCは冷静に両チームの実力差を比較し「今日のレンスターには勝てない」と悟ったという。

 ブルズのスクラムの状態はその後も変わらず、決して圧倒されたわけではないものの、劣勢は続いた。また、ブルズFWはスクラムに限らず、全体的にフィジカル面でレンスターに押されていたのが明らかだった。加えて、雨でボールが滑るのか、BKがたびたびノックフォワードをするのでアタックの流れが中断し、チームの勢いを削ぐ一因となった。

 ブルズが初めてレンスターの22メートルラインを越えたのは前半32分を回ってからだった。FWでトライを狙ったが、レンスターのタックルが強く、ゲインを越えられないどころか、むしろ後退を強いられる場面も多かった。結局、18フェーズにわたってFWによる攻撃を続けたものの突破口を見出せず、最後はBKに展開。しかし、FBルルーのキックミスでボールをレンスターに渡してしまった。その他の場面でもこの日のルルーのキックは精度を欠き、レンスターに攻撃権が移る要因となっていた。

 結局、そのまま前半は19-0と、ブルズは零封に抑えられた。

 後半に入ると雨は上がり、わずかに晴れ間ものぞいた。だが、天候の回復がブルズに味方することはなかった。

 後半44分、後半最初のレンスターボールのスクラムで、レンスターFWはNO8コーナンの足元にボールが届いてから余裕のワンプッシュ。ブルズFWはその押しに耐えることができず、準決勝ではスプリングボックスの不動の1番オックス・ンチェを制圧した3番のPRウィルコ・ロウがたまらず膝を地面に着く。早速PGで3点をレンスターに献上する。

 後半48分、ブルズFWはようやくスクラムでレンスターからコラプシングの反則を誘う。PGは選択せず、トライを狙ってラインアウトへ。しかしブルズFWは攻めあぐね、なかなか前進できない。そんな中、レンスターがハイタックルの反則。再びラインアウトを選び、交代直後のHOアッカー・ファン・デル・メルヴァが右中間に意地のトライを決める(※SOヨハン・グーセンのコンバージョン成功)。これが、ブルズにとってこの試合唯一の得点となった。

完敗のブルズは、逆襲の準備をすでに進めている。(Getty Images)


 これ以降、試合は15分ほど膠着状態に入る。お互いフロントローが入れ替わっても相変わらずスクラムは劣勢でコラプシングを取られ、BKもノックフォワードや苦し紛れのオフサイドなどが続き、ブルズは勝機を見いだせないまま時間が過ぎていった。

 後半67分、自陣ゴール前でブルズFLファンスターデンが危険なタックルを犯し、レンスターにPGを献上。さらに後半72分には、レンスターは交代で入ったばかりの若手SHガンがブルズBKディフェンスのギャップを突いて一気に独走トライを決め、試合に終止符を打った。ガンはアイルランド代表U18、U19、U20と着実にステップアップを重ねており、正代表入りも時間の問題と見られている。交代時には童顔のため「スクールボーイ」と茶化した紹介をされたが、名門ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン(UCD)でコマース(商業学)を専攻する学生アスリートでもある。

 試合後の優勝メダル授与式では、レンスターの出場メンバーが背番号順に名前を呼ばれ、一人ずつ表彰台へと上がっていった。その中でもひと際大きな声援を受けたのが、この試合を最後にニュージーランドへ帰国するCTBジョーディー・バレットだった。

 今シーズン、レンスターはシックスネーションズ期間など代表選手が頻繁に抜け、メンバーの入れ替わりが続く難しいシーズンを送っていた。そんな中、バレットは15試合に出場し、安定したパフォーマンスでチームを支え続けた。あの声援は、バレットのチームへの貢献に対し、ファンが感謝と敬意の念を表明したものだった。

 そして、優勝カップを高々と掲げたレンスターのキャプテン、ジャック・コーナン。その瞬間に呼応するように跳び上がる選手たち。一方、それをただ茫然と見つめるブルズの面々――。

 ここまで完膚なきまでに打ちのめされたブルズの姿を見るのは、本当に久しぶりだ。試合後すぐに、プレトリアの友人から短いWhatsAppが届いた。
「大変ショックを受けている。こんなブルズは受け入れられない」
 厳しい一言だが、多くのブルズファンの胸中を代弁している。彼らにとって、ブルズは常に勝ち続ける存在でなければならないのだから。

 レンスターは強かった。そしてバレットを除けば、今のところ選手・スタッフともに大きな変更は予定されておらず、レンスターは来季もブルズにとっては越えるべき高い壁であり続けるだろう。ホワイトHCは試合後、メディアに対してまず、今年のレンスターは『異次元の強さ』と力の差を率直に認めたうえで、特にレンスターの完璧なディフェンスシステムを整備したシニアコーチ、前スプリングボックスHCのジャック・ニーナバーに敬意を表した。

 そのうえで、「我々は銀メダルを金メダルに変える方法を見つけなければならない」と問題提起し、「関係者と協議し、次のステップに進むために何が必要かを見極める必要がある。今日の試合から得た教訓が示すとおり、我々にはレンスターが持つもの、つまり、より多くの国際レベルの選手が必要だ。レンスターに対抗するには、まず同じ武器を手に入れなければならない」と、改革への意欲を強く滲ませた。

 そしてホワイトHCはその場で、すでに発表されているワールドカップ連覇の立役者、SOハンドレ・ポラードのブルズ復帰に加え、ともに仏TOP14モンペリエから移籍する元スプリングボックス、CTBヤン・サーフォンテインおよびLOニコ・ヤンセ・ファン・レンスブルフとの契約がまとまったことを明らかにした。

 なおポラードはこのURC決勝と同日、イングランドのプレミアシップ・ラグビーのプレーオフ決勝をアリアンツ・スタジアム(=トゥイッケナム・スタジアム)で戦った。レスター・タイガースの司令塔として臨んだラストゲームは、惜しくもバースに21-23で敗れたが、チームにとって4年ぶりとなる決勝の舞台で準優勝という成果を残し、プレトリアへと帰還する。

 敗戦の事実は変えられない。だが、ブルズはこの悔しさを糧に、すでに来季への飛躍に向けて動き出している。

【プロフィール】
杉谷健一郎/すぎや・けんいちろう
1967年、大阪府生まれ。コンサルタントとして世界50か国以上でプロジェクト・マネジメントに従事する。高校より本格的にラグビーを始め、大学、社会人リーグまで続けた。オーストラリアとイングランドのクラブチームでの競技経験もあり、海外ラグビーには深い知見がある。英国インペリアルカレッジロンドン大学院経営学修士(MBA)修了。英国ロンドン大学院アジア・アフリカ研究所開発学修士課程修了


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