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【Just TALK】「いつも心の中にイーグルスがある」。シヤの日本移籍は「知らんけど」。ジェシー・クリエル[横浜キヤノンイーグルス主将]
南アフリカ代表、シヤ・コリシ主将の日本移籍の噂話については「知らんけどね。(本人と)話してみないと分からない」と笑わせた。(撮影/松本かおり)
2025.12.11
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【Just TALK】「いつも心の中にイーグルスがある」。シヤの日本移籍は「知らんけど」。ジェシー・クリエル[横浜キヤノンイーグルス主将]

向 風見也

 世界ランク1位のラグビー南アフリカ代表で87キャップ(代表戦出場数)を得たジェシー・クリエルが、加入7シーズン目となる日本の横浜キヤノンイーグルスで主将を務めることとなった。

 ニュージーランド出身のレオン・マクドナルド新ヘッドコーチに推された。

 指揮官はこうだ。

「経験のある選手をリーダーにしたかった。彼は日本人とつながりを保つための努力をしていて、全員とコネクションを保っています。何よりトレーニング、リハビリといった習慣がトップレベル。誰よりも早くジムやグラウンドに来ていて、皆の手本になっています」

 就任が発表された11月、本人は秋の代表ツアーに参加していた。大役拝命の所感を述べたのは、クラブ合流後の12月10日。都内の拠点で報道陣に話した。

 今年はナショナルチームでもゲーム主将を任されたことがあった(3試合)。その時の心境を「最初にアナウンスされた時はさすがに緊張しました。ただ、周りに他の強いリーダーがいた。心強いです」と明かした。仲間へのリスペクトを露わにする身長186センチ、体重91キロで31歳のアウトサイドセンターは、イーグルスで船頭役となることへも「とても光栄です」と頷いた。

「周りによいリーダーシップグループがいることは幸運です。僕の役割は(以前と)そこまで変わりません。他のリーダーからのサポートもある。気楽にできると思います」

12月10日のトレーニング時。日本語をよく理解し、自分からも積極的に話す。仲間とのコミュニケーションを密に取る。(撮影/松本かおり)


——前主将の梶村祐介選手とはどんなやり取りをしていますか。

「梶さんからはいまも多くを学んでいます。彼もリーダーシップグループに入っています。サポートを受け、さらに学び続けることが大事です」

——イーグルスは体制を刷新しています。

「レオンさんはクリアな目的を持っている。そのもとでプレーするのが楽しみ。僕らは(プランを)遂行できるように頑張ります」

——代表期間中も、マクドナルドさんとオンラインで面談していたようです。

「いい会話ができました。彼はやりたいことがクリアで情熱を持っている。力強いコーチです。私はいつも心の中にイーグルスがあり、それもあって7年目に突入しています」

——タフな代表戦を経て、いまのコンディションは。

「痛みのある部位はありますが、徐々に復調。12月5日のプレシーズンマッチにも入れました(東京・キヤノンスポーツパークで三重ホンダヒートに33-26で勝利)。チームの一員となれてきています。たくさんラグビーをしてきましたが、もう開幕への準備はできています」

2024-25シーズンはイーグルスの全18試合中16試合に出場した(すべて先発)。南アフリカ代表87キャップ。2025年7月5日のイタリア戦、8月23日のオーストラリア戦、9月6日のニュージーランド戦でゲームキャプテンを務めた。(撮影/松本かおり)


 加盟するジャパンラグビーリーグワンの初戦を12月14日に控える。神奈川・日産スタジアムで昨季12チーム中5位の静岡ブルーレヴズとぶつかる。

 前年度のイーグルスは8位と苦しんだ。もっともクリエルが加わる直前の2018年度は、旧トップリーグで16チーム中12位とさらに低迷していた。

 その後、指導陣の交代や効果的な補強などで躍進。一昨季まで2季連続で4強入りを果たした。進歩のさなか、クリエルは強さ、速さ、勤勉さで信頼された。

 代表活動で欧州にいる間も、イーグルスを思っていた。

 現地時間11月1日。ロンドンのウェンブリースタジアムで61-7と破った日本代表に、普段のチームメイトが2人いた。そのうちひとりは、左右のプロップをこなす祝原涼介だった。祝原の証言。

「南アフリカ戦が終わった直後、ウェンブリースタジアムで『イーグルスは戦術面でもっと…』という話をしてきました。(イーグルスからジャパンに呼ばれた石田)吉平とも、そういう話をしたと聞きました」

 それは事実かと問われたクリエルは、「オフコース」と微笑む。代表にまつわる問答にも応じる。

11月1日の日本代表とのテストマッチでは、トライを挙げた後にイーグルスポーズも。チーム愛があふれる。(撮影/松本かおり)


——まず、日本代表戦について。

「日本代表にイーグルスのチームメイトを迎えて対戦できたことは特別な経験でした。イワ、キッペイのハードワークは誇りに思います」

——それにしても、あの日の南アフリカ代表はとてつもなく強かった。

「日本代表を下の相手とは見ていませんでした。スプリングボックス(南アフリカ代表)に多くいるリーグワンの参加選手が、日本のスキルや速さを皆でプレゼン。その情報があったため、よい準備ができました」

——あの日、スプリングボックスのリーグワン勢が、日本でプレーしている時よりも動きが素晴らしかったような。

「本当にそうですね。それぞれに、(普段の)チームメイトを相手にいいプレーをしたい気持ちがありましたね」

 ウェンブリーでの交流について、祝原はこうも付け足す。

「常にラグビーのことを考えていて、(仲間内の挨拶でおこなう)イーグルスポーズもしてきました。チームマンです。だから、皆、ついていくと思います」

日本代表戦後、石田吉平と健闘を称え合い、話した。(撮影/松本かおり)


 イーグルスへの愛は不変だというクリエル。かつては「優勝するまでここを辞めない」とも宣言していた。

 継続的に日本語のレッスンも受けていて、自身の語学力を「まぁまぁです。毎日、お勉強。ちょっと難しいですね」と日本語で評した。

 ミーティングで同僚が話すことも、ほとんど理解できる。

「むしろ、そうならなければいけないと思っています」

——自身からの発言も日本語で。

「ケースバイケース。熱い試合の最中は難しいですが、できるだけ日本語で」

——昨季、リコーブラックラムズ東京に入ったニュージーランド代表89キャップのTJ・ペレナラ新主将は、街角で日本人に話しかけるなどして会話力を高めています。

「(日本語で)TJも、本当に上手ですね。頑張ります、日本語。(ここからは英語で)できるだけ日本語を学ぶ姿勢は持っています。ただ、ラグビーでパフォーマンスを発揮することが第一優先です」

 語学に関する話が一段落すると、あらためて国際シーンのやり取りに移った。

 質問は、南アフリカ代表のシヤ・コリシ主将が日本行きを検討しているという現地報道についてだ。

 自然なイントネーションで応じた。

「知らんけどね。わからない」




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