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3敗のうち2つは1点差と2点差の惜敗と、20-79の大敗。開幕からの6戦は3勝3敗の5分。12チーム中5位につけている。
東京サントリーサンゴリアスは今季連勝スタートを切りながら、3戦目以降の4試合は1勝3敗。しかし第6節では、唯一の全勝チーム、埼玉パナソニックワイルドナイツに30-31と迫った。
チームのパフォーマンスに波があるのは否めないだろう。
バイウィークを経て、2月8日に三菱重工相模原ダイナボアーズと今季7戦目を戦う。チームを率いるサム・ケイン主将は、レギュラーシーズン全18戦のうちの3分の1にあたる6戦を振り返って、「負けたうちの2試合は、1点差、2点差という僅差。ワイルドナイツ戦は望んでいた結果(勝利)こそ得られませんでしたが、長い時間、互角に戦えていました」とした。
「トレーニングのレベルは、シーズン開幕時に比べて大幅に良くなっていると確信しています。常に向上し続けていければ、結果は自ずとついてくるはず。このブロック(次のバイウィークまでの4試合/8日=ダイナボアーズ戦、14日=浦安D-Rocks戦、22日=横浜キヤノンイーグルス戦、3月1日=静岡ブルーレヴズ戦)は、とても重要になる」
トップ4に踏みとどまることが重要と強調する。
ケイン自身は、ここまで5試合に先発して、そのうち3試合にフル出場している。しかし、20-22と惜敗したコベルコ神戸スティーラーズ戦でのパフォーマンスを悔やむ。
その試合では2枚のイエローカードを受けて退場した。

「直近の2試合に関しては満足しています。しかし、神戸との試合では敗れたし、個人的にも悔いの残るプレーがあり落胆しました」
その試合をきっかけに、自分自身を見つめ直したという。
「あらためて、自分や周りの仲間を信じる、試合を楽しむという原点に立ち返ることから始めました」
スーパーラグビーやインターナショナルの舞台で、数え切れないほどの試合を戦ってきた人にとっても、クボタスピアーズ船橋・東京ベイに20-79と大敗したことは衝撃だった。
当日を思い出し、「僕が発した言葉は(仲間に)何も響かなかったと思う」と言う。
ただ、そのまま転げ落ちていくなら今後も上がり目はないだろう。サンゴリアスはそうならず、悪夢と言っていい80分を「ターニングポイントにできたと思います」。
「あの試合以降、練習の強度が明らかに上がりました。あの日は残念な結果で、みんなが自分たちを見つめ直したと思います。そして、向上しなければと思ったでしょう」
結果がどうであれシーズンは続く。下を向かず、前へ進み続けることが求められる。
スピアーズ戦の59点差の敗戦は、自分の過去を振り返っても、「おそらく最大級の点差での敗北でした。あの中にいて、本当に心が痛みました。パフォーマンスにも影響が出た」と思い出す。
「人生でも、頑張りすぎたり考えすぎたりすると、空回りしてしまうことがあると思います。あの時はまさにそんな状態だったのかもしれません」
オールブラックスとして104回のテストマッチに出場していても、まだ足りないものはある。異国の地に暮らしていれば、それも当然かもしれない。
ニュージーランド代表のキャプテンを27試合で務めた。マスト・ウィンを求められる精鋭が集う集団で先頭に立つことと、長い間、ともに日々を過ごす所属チームで主将を務めることに違いはあるのだろうか。
1月13日に34歳になった経験豊富な男は、「オールブラックスのキャプテンをしていたことは、随分昔のことのように感じます」とジョークを口にしてから続けた。
「根本的なところは同じです。私がキャプテンですが、他の選手たちにもリードしてもらわないとうまくいかない。みんなが喋る、お互いにチャレンジできるような環境を作るのが大事。誰でもが意見を出せる場は作りたいと思っています」

そのためにも、先頭に立つ自分自身は誠実、いい人間でないといけない。
「パフォーマンスを通してリードする。毎日、クラブハウスでやることをやる」
そういう姿が大事と理解している中で、仲間たちとできるだけ多くのコミュニケーションを取ろうと必死になっている。
「言葉の壁がある中でも、(思いを)効果的な、短い言葉で伝えられるようにしたいんです」
「このあとも日本語のレッスンが待っています」と空気を和ませた。
開幕前にも同じようなことを言っていた。その日は、翌日に会社のパーティーに参加すると言っていた。
「毎週日本語のレッスンを受けていますが、キャプテンになってからは少し内容が変わりました。以前より、挨拶やフォーマルな言葉遣いなど、場面に応じた、適切な言葉を学ぼうとしています」
レッスン以外の工夫についても話していた。
「シニアプレーヤーなどメンバーとの会話の中で、彼らが使う言葉を聞き取って学んでいます。以前は通訳された英語だけを聞いていましたが、いまは周りの会話や飛び交う単語に耳を傾け、ピックアップできるようになってきました」
その時も、「効果的な、短い言葉」を求めていた。
プレーの合間。トライを取った後、取られた後のハドル。ハーフタイム。限られた時間の中で意思を伝え合い、チームの進むべき道を全員が正しく理解することは、上昇するチームが共通して持っている力のひとつ。
この先の、ハドルの中でのケインの口元を見つめていこう。