Keyword
東京サントリーサンゴリアスの堀越康介が11月8日、都内でリコーブラックラムズ東京との練習試合に先発。出場時間こそ限られたが、持ち場のフッカーに入って鋭いタックルを重ねた。
——まず、きょうのブラックラムズ戦は28-14で勝ちました。
「アタックやセットピースのミスからディフェンスの時間が長くなったなと思います」
——そんななか、好タックルを連発していました。
「本当ですか? 練習だったら、もっとバチバチに行けているので。去年の反省から、個人的にも、チーム的にも、ディフェンスを強くしないと優勝できないと思っています。そこは、皆、意識しています」
——総じて、サンゴリアスは防御時の接点にしつこく絡んでいました。
「自分たちのシステムのなかで『○フェーズ以内に(ボールを)取る』と考えながらやっています。きょうもいい場面が何個かあった。いい感じかなと」
前年度は国内リーグワン1部で、序盤から黒星がかさんだ。結局、プレーオフ進出こそ果たすも、レギュラーシーズンでは12チーム中6位に終わった。旧トップリーグ時代に5度優勝の名門にとって、納得のいく結果を残せなかった。

12月中旬からの新年度に向けては、それまで約3年務めた主将の座から離れた。
気分を新たに日々を過ごす。
——今季は主将を退きます。ニュージーランド代表で船頭役だったサム・ケインさんにバトンを渡します。
「(開幕前の期間に)コスさん(小野晃征ヘッドコーチ)と何回も話しました。個人的にもっとパフォーマンスを上げたい、とも。
主将という役を降りて、もっと自分自身のパフォーマンスに集中できるかなと。
いまは『響』というリーダーズグループに入っています。…(名称が)サントリーっぽいですよね」
——同社の誇るウイスキーの銘柄!
「(ここまでサンゴリアスは)ディフェンスにフォーカスしていました。いまはアタックや、コンテストボール(高い弾道のキック)をどう使うかもやっている最中です。
リーグワン自体のレベルが上がり、本当に、どのチームにも簡単には勝てない。その日に 100パーセントの力を発揮しないといけません。そうした、(各自で)コントロールできる点を(イメージして)やっていきたいです。
あとは、できるだけチームの波を少なくしたい。プレシーズンの段階から、『響』でシーズン中のことを考えて練習していきたいです。
ひとつのゲームを見て、『ここが大事だったよね。それを大事にしたから勝てたよね』と考えられるチームにもしていきたい」
身長175センチ、体重100キロの30歳。日本代表7キャップを持つ。2023年にはワールドカップフランス大会の登録メンバーとなったが、昨年9月を最後にナショナルチームから遠ざかっている。
エディー・ジョーンズヘッドコーチ体制2季目となるジャパンはいま、若手中心の編成。26歳の原田衛、24歳の江良颯とフッカーに怪我人が相次ぐなか、11月のテストマッチにはそれぞれ22歳、23歳の佐藤健次、平生翔大を出場させている。
今回、堀越は「声はかかっていないです」とのことだ。

——まず、サンゴリアスの後輩でもある平生選手が遠征先で揉まれています。
「純粋に頑張ってほしいな、活躍してほしいなという気持ちが一番にあります。100パーセント、成長して帰ってくるでしょうし、そこから翔大とコンペティション(競争)したい。シーズンのジャージーを獲り合っていきたいです」
——ご自身の国際舞台への思いは。
「個人的には、ラグビー選手をやっている以上は日本代表を目指さないと…と思います。引き続き、目指していきたいです。
…ただ、そこにコントロールされるべきではないと思います」
——他者のおこなうセレクションに気を取られるよりも、まずは己と向き合う。
「いま、パフォーマンスはめちゃくちゃ上がっています。ここ数年で一番いいくらいです。動けるようになっています。
若手の江良、衛、佐藤健次、翔大からも刺激を受けています。もっと自分のことを叩いて頑張りたいです。フロントローは、30からが働き盛りなので! どんどんよくなっていきます」
伸びた力を証明する。