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姫野和樹が復帰。オールブラックス戦、欧州ツアーへ向かう日本代表発表
RWC2023以来の日本代表復帰となる姫野和樹。(撮影/松本かおり)
2024.10.10
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姫野和樹が復帰。オールブラックス戦、欧州ツアーへ向かう日本代表発表

ジャスラグ編集部

 姫野和樹が戻った。
 オペティ・ヘルや中楠一期、松永拓朗も呼ばれ、キャプテンは立川理道。
 10月10日、10月13日から始まる合宿(関東、宮崎)、10月30日から始まるヨーロッパ遠征(フランス、イングランド)に参加する日本代表メンバーが発表された。

 リストに並んだのは、FWが20名、BKが17名。そして、2名の練習生だ。
 まず、FWがセットプレーに注力する合宿を関東地区で実施(15日まで)。BKは最初から宮崎に入り、16日からFWも同地に加わる。

 姫野やシオサイア・フィフィタら、今季の代表活動の中でプレーできていなかったところから選ばれた選手もいれば、ヘルや中楠、松永らニューフェイスもいる。
 リーチ マイケルや李承信ら、今季ここまでの活動に参加した選手たちの中には、ケガやコンディション調整中などの理由で、今回は未招集となった選手たちの名前も発表された。(表参照)。

 チームは合宿を経て、10月26日に横浜でニュージーランド代表、オールブラックスと戦い、その後、ヨーロッパへ向かう。
 11月9日にフランス代表(パリ)、同16日にウルグアイ代表(シャンベリー/仏)、同24日にイングランド代表(ロンドン)とテストマッチを実施する。

メンバー発表会見に臨んだエディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチ。(撮影/松本かおり)

 チームを率いるエディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(以下、HC)は、まずは「ニュージーランドとの試合に集中する」と話した。
 これまで、いろんなチームを率いてオールブラックスと戦ってきた同HCは、常勝チームとの試合について、「いつも最高のベンチマークとなる」とした。

 今季、多くの若手選手を起用して動き出した日本代表は、6月から夏の終わりにかけて7つのテストマッチを戦い3勝4敗。積み上げてきたチーム力の現状を確認するのに最適な相手だ。
 世界トップクラスとの距離を知ることができる。

 オールブラックスとの対戦を控え、日本らしいアタックで勝負できるようにするための準備をしていくとした。
 相手はアンストラクチャーの状況に強く、チャンスとみるや果敢に攻めてくる。それに対しては、できるだけストラクチャーの中でプレーする時間を増やし、キックも、可能な限り自分たちのストラクチャーの中で蹴ることが大事だ。

 その上で、恐れを知らぬ相手より強い覚悟を持って、より自分たちのスタイルで積極的に仕掛けることが勝利の条件と考えている。
「どんどん追い詰めていくこと。ハードにチェイスする。ハードに立ち向かい続ける。それが大事。60分の段階で競れていれば勝てる確率は上がる」と話した。

 世界のラグビーシーンを見ると、ボールインプレーの時間は35分程度という状況が長く続いている。しかし、その時間の中でのインテンシティ(強度)は高まり続けている。そこに対応しなければならない。

 パシフィックネーションズカップ決勝のフィジー戦(17-41)は、最後の20分で勝者との違いがハッキリと出る展開だった。その時間帯を克服するトレーニングを積み、フィットネス、ストレングスの高まり、マインドの強さを手に入れていく取り組みを続けていく。

 2023年のワールドカップ以来、約1年ぶりに代表活動に加わる姫野に求めるものについて、「彼史上最高のラグビー選手になること。そして、世界一のバックローになること。それが、私が彼に期待することで、彼の仕事」と話した。
 本人とはPNC後に面会。良いトレーニングを積んで、順調に回復していると聞いたという。

SO、FBでプレーできる松永拓朗。東芝ブレイブルーパス東京でのパフォーマンスが認められた。(撮影/松本かおり)

 今回のメンバーの中では、10番候補は立川と中楠、15番は矢崎由高、松永とした。立川や矢崎の力はわかっている。新しい2人については、合宿で鍛え、育て、適性を見て、試合出場メンバーの選考俎上にあげる予定だ。
 中楠については、「ラインに仕掛けながらプレーできるところ」が長所と話した。

 SO、FBに関しては、今季の活動に参加していた松田力也や、昨年W杯に出場した松島幸太朗を招集するオプションも考えられそうだが、指揮官は松田に関して、「所属チーム(トヨタヴェルブリッツ)で課題に取り組む時間を作ってもらっています。課題を克服し、(現ジャパンにとっての)より良いプレーヤーになれば戻ってこられる」とした。

 松島に関しては、昨季のリーグワンでのパフォーマンスを評価し、選考対象にはならないと判断した。
「体をしっかり治す必要もある。今季(新シーズン)、リーグワンでいいパフォーマンスを見せられれば(代表選出の)チャンスはあると思う」と語った。

【日本代表関東・宮崎合宿及びヨーロッパ遠征(フランス、イングランド)参加メンバー】
◆FW(20名)
岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス/関西学院大/29歳/180cm、105kg/4)
竹内柊平(浦安D-Rocks/九州共立大/26歳/183cm、115kg/10)
為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/明大/23歳/180cm、108kg/7)
オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/豪・ニューイントンカレッジ/26歳/190cm、127kg/-)
三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/東海大/29歳/180cm、115kg/14)
茂原隆由(静岡ブルーレヴズ/中大/24歳/187cm、116kg/5)
坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/帝京大/31歳/180cm、104kg/46)
原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京/慶大/25歳/175cm、101kg/7)
松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ/明大/27歳/175cm、100kg/2)
秋山大地(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/27歳/192cm、114kg/1)
エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ/FIJI・ラトゥ カダヴレヴスクール/28歳/196cm、122kg/2)
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/流経大柏/22歳/201cm、117kg/18)
サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/NZ・ヘイスティングスボーイズ高校/29歳/202cm、120kg/7)
サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ/TGA・トゥポウカレッジ/27歳/189cm、107kg/5)
下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/早大/25歳/188cm、105kg/10)
姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/30歳/187cm、109kg/32)
ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京/大東大/29歳/195cm、118kg/10)
アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ/慶大/23歳/191cm、112kg/4)
テビタ・タタフ(ユニオン・ボルドー・ベグル【FRA】/東海大/28歳/183cm、124kg/18)※1
ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/27歳/187cm、112kg/12)

◆BK(17名)
飯沼 蓮(浦安D-Rocks/明大/24歳/170cm、75kg/-)※2
小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/大東大/29歳/171cm、74kg/6)
齋藤直人(スタッド・トゥールーザン【FRA】/早大/27歳/165cm、73kg/21)※1
藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/25歳/171cm、76kg/6)
◎立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/34歳/180cm、94kg/60)
中楠一期(リコーブラックラムズ東京/慶大/24歳/174cm、84kg/-)
長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/早大/24歳/179cm、90kg/14)
マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/NZ・スコッツカレッジ/28歳/182cm、91kg/4)
ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/摂南大/30歳/177cm、95kg/13)
濱野隼大(コベルコ神戸スティーラーズ/NZ・ロトルアボーイズ高/23歳/180cm、93kg/1)
池田悠希(リコーブラックラムズ東京/東海大/29歳/187cm、100kg/-)
梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス/明大/29歳/181cm、95kg/4)
シオサイア・フィフィタ(トヨタヴェルブリッツ/天理大/25歳/187cm、105kg/13)
ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/28歳/188cm、93kg/4)
ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/豪・ボンド大/27歳/187cm、102kg/24)
松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京/天理大/26歳/172cm、82kg/-)
矢崎由高(早大2年/桐蔭学園/20歳/180cm、85kg/6)※2

◆練習生(2名)
村田大和(京産大2年/報徳学園/19歳/168cm、69kg/-)※2
海老澤琥珀(明大2年/報徳学園/19歳/173cm、79kg/-)※2

◎=キャプテン
※1=ヨーロッパ遠征から合流
※2=関東・宮崎合宿まで参加
カッコ内は所属、出身校、年齢、身長・体重、キャップ数の順

◆以下の選手は、ケガやコンディション調整中などを理由に未招集
淺岡俊亮(トヨタヴェルブリッツ)
稲垣啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ)
ベン・ガンター(埼玉パナソニックワイルドナイツ)
ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ)
サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks)
根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
福田健太(東京サントリーサンゴリアス)
堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)
リーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)
李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ)
山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)


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