logo
大学2年生3名。ノンキャップ7名。パシフィックネーションズカップへの宮崎合宿、カナダ遠征メンバー決まる
超速ラグビー実現のため、より精度高く、スピードあるプレーが求められる。写真はPR茂原隆由。サポートするのはLO桑野詠真。(撮影/松本かおり)
2024.08.08
CHECK IT OUT

大学2年生3名。ノンキャップ7名。パシフィックネーションズカップへの宮崎合宿、カナダ遠征メンバー決まる

ジャスラグ編集部


 若い世代が日本ラグビーの未来を作る。その信念は変わらない。
 そしてスピードこそ、日本ラグビーが世界と伍していくための最大の武器。そこも揺るぎない。

 8月7日、8月10日~16日、同31日~9月22日に実施される日本代表宮崎合宿と、8 月17日~27 日に実施する日本代表のカナダ遠征の参加メンバーが発表された。

 新設のパシフィックネーションズカップ2024の開幕が迫っている。
 フィジー、サモア、トンガのプールAは8月23日に開幕。日本、アメリカ、カナダのプールBは8月25日に始まる。

 日本代表の初戦は、8月25日に、カナダ・バンクーバーでおこなわれる同国代表戦。発表されたのは、その試合に向けての準備合宿とカナダ遠征への参加選手たちだ。

 大会中日本は、9月7日に熊谷でアメリカと対戦。プールステージの結果を受け、準決勝が同14日(5位決定戦も実施)、15日に秩父宮ラグビー場(東京)で、決勝と3位決定戦が、同21日に花園ラグビー場(大阪)で実施される。

 エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ(以下、HC)は、今回の活動について、「日本のラグビーを再建すべきプロジェクトのステージ2」と表現した。
 選んだメンバーについては、「現在参加が可能なプレーヤーの中から一番いい選手たちを選んだ」と話した。

 パシフィックネーションズカップに関しては、「現在のジャパンと同等のレベルの国々が参加する」と言い、ここまで取り組んできたスタイルをさらに向上させたいとした。
 優勝を狙う。その一方で、目指すラグビーを成長させるとともに、「若い選手が多い。チームは発育のステージにあると認識しないといけない」と付け加えた。

 イングランド、マオリ・オールブラックス、ジョージア、イタリアと戦った6月、7月をレビュー。その中でイタリア戦を例に挙げ、「自分たちがポゼッションを保っていた状況から40パーセントのターンオーバーを許した」と反省点を挙げた。

 改善策については、ファンダメンタルスキル(基本的なプレー)の向上は不可欠とする。
「超速ラグビー」をコンセプトとしている。スピードに乗ったプレーを集団で実現していく中で、ミスが起これば遂行できない。基礎を固めた上で、はやく、冷静さを欠くことなく、技術と判断を連続させることを求めている。

 開催中のパリ五輪を例に出し、他国よりサイズで劣る男子バレーが基礎の確かさを武器に健闘していたと話し、3冠の体操、岡慎之介の華麗なる技も、確固たる基礎があるからこそ、と話した。

 大学生3人、ノンキャッププレーヤー7人(ノンキャップの大学生2人を含む)がスコッドの中にいる。
 若いメンバーを積極的に選ぶ理由をあらためて、「2023年のワールドカップを見れば、日本のラグビーが変わらなくてはいけない(時期)ということは明らか」とした。

 リーグワンでプレーしている選手たちの中に日本人選手が53パーセントしかいない現状なども含め、「若手の育成に投資すべき時間」とする。
「しかし(若手育成の)過程には痛みが伴うし、望まない結果もついてきます」と続けたジョーンズHCは、それでも選手たちの可能性を信じているし、「次の世代の日本ラグビーを作っていきたい」と強調した。

「いま日本にどのようなプレーヤーがいて、(インターナショナルレベルの試合に)出場可能な選手が何名いるのか。我々が目指すラグビーを体現できる才能を持つ者がどれほどいるのか見ていきます」

 国内シリーズで主将を務めたリーチ マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)は休養のため今回はメンバーに入っていない。
 フランス、トップ14のトゥール―ズに入団が決まった齋藤直人と、ボルドー所属のテビタ・タタフは、所属クラブの活動参加を優先する。

 姫野和樹、シオサイア・フィフィタ(ともにトヨタヴェルブリッツ)、福田健太(東京サントリーサンゴリアス)は「ゲームフィットネス向上中のため」との理由で今回は選考対象外となった。

 当初は大学所属選手も所属チームでの活動を優先するため選考対象外とする予定だったが、SH村田大和(京産大2年)、WTB海老澤琥珀(明大2年)、FB/WTB矢崎由高(早大2年)については、各大学と協議の末に参加することになった。

 ジョーンズHCは、今季3キャップを得た矢崎について、「オフ・ザ・ボールの動きをワールドクラスに近づければもっと良くなる」と話し、若き才能の将来性をあらためて高く評価した。

順調に成長を続けるLOワーナー・ディアンズ。22歳で14キャップ。(撮影/松本かおり)

【日本代表 宮崎合宿およびカナダ遠征参加メンバー】
◆FW(19名)

岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス/関西学院大/29歳/180cm、105kg/2)
三浦昌悟(トヨタヴェルブリッツ/東海大/29歳/180cm、115kg/9)
茂原隆由(静岡ブルーレヴズ/中大/24歳/187cm、116kg/3)
坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ/帝京大/31歳/180cm、104kg/44)
原田 衛(東芝ブレイブルーパス東京/慶大/25歳/175cm、101kg/3)
松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ/明大/27歳/175cm、100kg/-)
木津悠輔(トヨタヴェルブリッツ/天理大/28歳/178cm、115kg/5)
竹内柊平(浦安D-Rocks/九州共立大/26歳/183cm、115kg/6)
為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/明大/22歳/180cm、108kg/3)
エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ/FIJI・ラトゥ カダヴレヴスクール/28歳/196cm、122kg/-)
桑野詠真(静岡ブルーレヴズ/早大/29歳/193cm、112kg/1)
サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ/NZ・ヘイスティングスボーイズ高校/29歳/202cm、120kg/5)
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京/流経大柏/22歳/201cm、117kg/14)
サウマキ アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ/トゥポウカレッジ/27歳/189cm、107kg/5)
下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス/早大/25歳/188cm、105kg/6)
ティエナン・コストリー(コベルコ神戸スティーラーズ/IPU環太平洋大学/24歳/192cm、107kg/2)
アイザイア・マプスア(トヨタヴェルブリッツ/慶大/23歳/191cm、112kg/-)
山本 凱(東京サントリーサンゴリアス/慶大/24歳/177cm、100kg/1)
ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/27歳/187cm、112kg/8)

◆BK(16名)
小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ/大東大/29歳/171cm、74kg/2)
藤原 忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/25歳/171cm、76kg/2)
村田大和(京産大2年/報徳学園/19歳/168cm、69kg/-)
松田力也(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/30歳/181cm、92kg/39)
李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ/大阪朝高/23歳/176cm、86kg/14)
海老澤琥珀(明大2年/報徳学園/19歳/173cm、79kg/-)
根塚洸雅(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/法大/25歳/173cm、82kg/2)
立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ/天理大/34歳/180cm、94kg/56)
サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks/摂南大/29歳/182cm、108kg/3)
長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ/早大/24歳/179cm、90kg/10)
ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ/帝京大/28歳/188cm、93kg/-)
ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ/豪・ボンド大/27歳/187cm、102kg/20)
マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ/スコッツカレッジ/28歳/182cm、91kg/-)
ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京/摂南大/30歳/177cm、95kg/11)
矢崎由高(早大2年/桐蔭学園/20歳/180cm、85kg/3)
山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ/筑波大/29歳/176cm、84kg/9)

◆リハビリテーション組
ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京/大東大/29歳/195cm、118kg/7)

※カッコ内は所属、出身校、年齢、身長・体重、キャップ数の順

ALL ARTICLES
記事一覧はこちら