20歳以下(U20)日本代表は現地時間7月2日から、スコットランド・エディンバラでワールドラグビーU20トロフィーに挑んでいる。
プールAに振り分けられた。初戦ではU20ホンコン・チャイナ代表を105-20で下し、現地時間7月7日のU20サモア代表戦、同12日のU20スコットランド代表戦を経て、プール内トップを目指している。このミッションをクリアし、プールB首位との順位決定戦を制すれば、来季から上位大会のU20チャンピオンシップへ参加できる。
目標達成に必要な準備をしてきた。そのひとつが、連携を図る日本代表との実戦機会だ。6月11日、ナショナルチームが活動する宮崎へ赴き、試合形式のトレーニングを実施した。本番でプレースタイルを貫いて白星を得るべく、実力者の胸を借りた。
この国の最高峰のチームと身体をぶつけ合ったことに「経験することで慣れていくこともあるので、経験することは大切だと思います。短い時間でしたけど、自分自身として学ぶことがあった」と話したのは石橋チューカ。京産大2年のロックだ。身長190センチ、体重95キロのサイズでしなやかさ、激しさを兼備する。
——日本代表とマッチアップした感想は。
「いままで試合をしてきた(相手の)なかで、一番、テンポが速くて、一番、強かったです」
——リーグワンのクラブとのトレーニングマッチ、ジュニア・ジャパン名義で臨んだサモアでのパシフィック・チャレンジ計3戦、対ニュージーランド学生代表(NZU)2連戦と複数の実戦を重ねましたが、それまで対戦したどの相手よりも日本代表が強いと感じたのですね。
「ブレイクダウンからの球出しが速く、(守る側に立つ)自分の足が追いつかなくなると感じました」
——印象的な選手はいましたか。
「フッカーの原田衛選手は、フロントローなのに足が速く、びっくりしました。
ラインアウトでは、これまで自分たちが(同世代にあっては)高身長という感じでしたが、ここにはそれ以上の選手がいた。ワーナー・ディアンズ選手(201センチ)、ファカタヴァ アマト選手(195センチ)、リーチ マイケル選手(189センチ)…。インパクトがありました」
——対戦相手としてのリーチ選手、いかがでしたか。
「すごくハードワークしていた。(全体的に)疲れてきて足が動いていない時でも、チームのために走っていた。ピンチのところに行ける(駆けつける)ところが凄い。あとは、(ぶつかったら)硬かったです」
——石橋選手個人、U20日本代表のチームで通用したと感じた部分は。
「個人的に通用したところは、なかったです。チーム全体としてはバックスのアタック、ラン、身長の高い相手に対してスピーディーに勝つラインアウトが通用したと思います」
——ずっとU20日本代表にいた矢崎由高選手は、この日、日本代表側でプレーしていました(6月22日、東京・国立競技場でのイングランド代表戦に先発する)。
「特に、思うことは、なかったです。敵にいるんだなぁという感じで」
——石橋選手は2月、日本代表の候補キャンプに相当する場(15人制男子トレーニングスコッド福岡合宿)にも招かれました。今後、正代表に加わるにあたっての課題はありましたか。
「フィジカルの部分がまだまだ足りてないですし、スピードも、まだまだ足りていない。そこをひとつずつ成長させていきたい」
——日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチからは何を伝えられていますか。
「体重を増やせと言われています。この合宿(U20日本代表はちょうど別府で活動していた)では、だいぶ、食べさせてもらって、(FW限定の候補合宿のあった)2月と比べると、5~6 キロほどは増えました」
——春の試合を振り返ってください。4月のパシフィック・チャレンジは全勝優勝も、5月のNZUとのゲームでは連敗しました。
「パシフィック・チャレンジではフィジカル勝負になりましたが、NZUは——バックスのパスなど——戦い方が全然、違った。(対応できるように)修正できなかったです」
——京産大ではいずれ主将になりたいと話す石橋選手。U20日本代表でのリーダーシップについてはどう感じていますか。
「自分の思ったことを発言する機会が増えた。成長できたと思います。NZUと試合をした時から、ディフェンスリーダーを任せてもらっています」
U20サモア代表戦では、ファーストゲームに続いてスターターを担う。