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ラグビー日本代表で24キャップの竹内柊平は、加入1年目となる東京サントリーサンゴリアスで充実した日々を送る。
3月1日には静岡のヤマハスタジアムで、ジャパンラグビーリーグワン1部の第10節に右プロップで先発。対する静岡ブルーレヴズが得意なスクラムでペナルティキックをもらったり、14分に鋭い走り込みでトライを決めたりし、後半12分に退くまでに52-5と大差をつけた。最後は57-24でノーサイドを迎え、3連勝を決めた。
開口一番はこうだ。
——まずはスクラムについて。自信を持って組んでいたようです。
「ブルーレヴズはスクラムからモメンタム(勢い)を作りたいと、誰もが知っています。逆に、そこで勝てば(自分たちに流れが来る)と、フロントロー(最前列)の堀さんと賢太(フッカーの堀越康介、左プロップの小林賢太)と組み込んできていた。
練習では、押されることもあったんです、実は。でも、トリプルエース(控え組の名称)がたくさんのプレッシャーをかけてくれたおかげで、きょうのスクラムが組めたとも思っています。(トリプルエースは)本当に強くて、ずっとレヴズと同じくらいの強度で組んでくれて」
——ここでの竹内さんの対面は。
「細木です」
——細木康太郎選手は竹内選手と同じ3番の右プロップ。対面というより、対角線上のような…。
「いや、いま、細木が1番(左プロップ)を。1、3番、両方やっています」

——それは初めて聞きました。
「あ、これ、書いてほしいんですけど、あいつの1番、マジで強いんですよ! めっちゃくちゃ強いんです!」
——もともと3番専任の頃からスクラムの強さに定評はありました。
「あいつの1番と3番が戦ったらどっちが強いのかを見てみたいくらい。そのプレッシャーが形になった。まずはありがとう(と伝えたい)。これからも高め合っていきたいです」
——ブルーレヴズのスクラムへどう対抗しましたか。
「彼らは(互いの)距離を詰めて(相手側の)バインドを弱くさせたい。それに対して自分たちはヒットが強み。ギャップ(間合い)を取って、ヒットして、チェイスして(足をかいて)、45度に押す(のを意識した)。そこを堀さんがオーガナイズしてくれた。いいギャップで組めて、ヒットで出られて、プレッシャーをかけられました」
——ご自身のトライシーンについても聞きます。狭いスペースへ鋭角に走り込んでのフィニッシュでした。
「その前のフェーズで、賢太がめちゃくちゃいいキャリーをしてくれていました。そこへディフェンスが寄ってくれたので、できたスペースへ(ボールを)呼んだら、ナギーさん(スクラムハーフの流大)が難しい角度にもかかわらず放ってくれた。ありがたいです」
身長183センチ、体重115キロの28歳。宮崎工業高、九共大時代は無名の存在も、トライアウトを経て2020年に旧トップリーグのNTTコミュニケーションズシャイニングアークス入りした。
同部が浦安D-Rocksとなってからも在籍し、海外挑戦を目指し昨季限りで退団した。フランスの強豪クラブとの折衝が難航したのを受け、国内でもっとも興味のあったサンゴリアスと相思相愛の形でサイン。直近の代表活動の約2週間後にあたる昨年12月中旬からのリーグワンにあって、これまで全試合にスターターとして出ている。

レギュラーシーズンはこれから休息週(バイウィーク)となる予定だったが、サンゴリアスはそのタイミングで、雪の影響で延期となった第7節(2月8日に東京・秩父宮ラグビー場で三菱重工相模原ダイナボアーズとぶつかる予定だった)に臨む。
8連戦の只中にある。
「一戦、一戦、積み重なっている。どんどん自信がついています。もともとアタックは強みですが、ディフェンスがよくなっている。ディフェンスで相手にミスをさせての切り返しのアタックがいい。
何よりチームがまとまっている感覚がある。僕は移籍1年目ですが、目に見えてチームがコネクトするのがわかります。やっていて、めちゃくちゃ楽しいです」
——取材を総合すると、12月27日の秩父宮が転機になっているようですね。クボタスピアーズ船橋・東京ベイに20-79で敗れた日です。
「チームにとっても自分にとっても悔しい負け。全員が考えさせられ、バイウィーク明け後の神戸戦(東京・味の素スタジアムにコベルコ神戸スティーラーズを迎えた第4節)では勝てはしなかったですけどたくさんの学びを得て(反則に泣き20-22と惜敗)、強くなっている。前、コスさん(小野晃征ヘッドコーチ)が話してくれました。『(大敗しても)次の試合は0-0からだ』と。そこで、自分たちのアグレッシブ・アタッキングをぶつけるだけです。きょうも(守りで)かなり前に出ていた。後半にポポンと取られてしまったところがありますが、それを修正すればもっと強固なチームになります。楽しみです。
来週、うちはバイウィークではありません。これはプラスに捉える。他のチームが休んでいる間に自分たちはコネクションを強くできる。逆に、いいんじゃないかなと思っています!」
——いずれにせよご自身は、次の代表活動を見据えてオフ返上で「アホみたいにトレーニングしている」。別の取材でそう仰っていました。
「そうです。それがチーム練(習)になって、皆とできるのでラッキーです」

数週間前のことだ。都内拠点での全体トレーニング後に、複数の選手とともに柔らかいバットとボールを使って野球に興じる一幕があった。
捕球に手間取るような場面もあったが、「(本当は)得意です!」と笑う。
「あれは悔しい! グローブと(集中力を保つための)ガムがなかったので…。あと、皆さん(件のシーンを目撃した取材者たち)がいなくなってから、慣れてきた。その時はまだ、本気じゃなかったんです。ハハハハ!」
明るく見えて人見知りのようだが、新天地にはすっかりなじんだ。
現在6勝3敗で12チーム中4位。6傑によるプレーオフへ進み、旧トップリーグ時代の2017年度以来となる日本一を狙う。まずは3月7日のダイナボアーズ戦へ視線を向ける。