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東芝ブレイブルーパス東京のリッチー・モウンガは、2月28日、キャンプ地でもある鹿児島県の白波スタジアムでジャパンラグビーリーグワン1部の第10節に先発する。
旧トップリーグがリーグワンとなって以来、ブレイブルーパスがこの地でホストゲームをするのは前シーズンに続き2度目だ。
「鹿児島はいいところなので楽しみ。プレシーズンの合宿で 1 週間ほど過ごさせてもらいました(10月下旬から11月上旬)。気候も暖かく、部屋からは桜島が見えるロケーションでした。宿舎から練習場まで歩いて行けて、練習の中身もよかったです」
身長176センチ、体重86キロの31歳。ニュージーランド代表56キャップを持つ。ブレイブルーパス入り後はチームの2連覇、自身の2季連続MVP受賞で存在感を示した。
今季終了後は、ニュージーランド代表への復帰を望んで帰国する。
注目の日本ラストシーズンは、すでに4敗している。初戦で埼玉パナソニックワイルドナイツに0-46で屈し、前節までに3連敗を喫した。
第7節からは前年度11位の三重ホンダヒートに38-44で屈し、同3位で目下好調のコベルコ神戸スティーラーズに33-34と及ばず。第9節では一時最下位だったトヨタヴェルヴリッツに21-52で敗れた。不用意な反則、攻防の起点となるセットプレーでの劣勢が目立つ。
失地回復が期待される次戦にあって、モウンガは司令塔のスタンドオフを託される。それは開幕から変わらない。
相手はリコーブラックラムズ東京。現在の順位で1つ下にあたる6位につく難敵だ。
今度のゲームは、上位6チームが条件となるプレーオフ行きへも重要な一戦となる。
プレーメーカーはどう見るか。2月26日、都内での公開練習後に語った。

——連敗中ですが。
「大きな課題はエクスキューション(遂行力)。ここ数週間、フォワードのセットピースでプレッシャーを受けています。それ以外にも、ハイボールの確保、ブレイクダウンでのクリーンアウトなど、ひとつひとつのプレーの質を上げていかなくては。何か特定の分野や選手を指すのではなく、全体的に(向上が必要)です」
——司令塔としてのメンションは。
「信じ続けることです。自分たちがやろうとしていることが正しいと信じ、そこに向き合う。負けているからといって、チームがやろうとしていることを急に止めないことです。何かを変えるのは簡単ですが、それをし始めたらきりがありません。
やることの精度を、高める。小さいプレーの質を上げられれば可能(結果は好転する)」
——一般論として、いま指摘された「やることの精度」は、普段の練習やオフ・ザ・フィールドの習慣の質に左右されることが多いような。
「そういう要素は少しあるかと思います。練習でのスタンダードが落ちたことが試合に影響した。いまはそのことを全体で認識し、話しています。練習したようにしか、試合はできません。
もうひとつ。いまは負けているので下を向きがちになりますが、そんななかでもいいエナジーを持ち、集中力を高く保ち、それをボディーランゲージに表わしてトレーニングに臨もうと心がけています」
——トッド・ブラックアダーヘッドコーチについて。
「彼はよいコネクターです。スタッフとスタッフを繋げ、統率します。選手とのコネクションも強いです。現役時代に高いレベルでプレーしていたので、いまのプレーヤーがその時々で何を欲しているかもよく理解しています。いまのチーム状況についてはストレートに『全然、足りていない』と告げ、厳しさや張りをもたらしてくれています」
——次に挑むブラックラムズについては。
「Xファクターになりうる凄い選手が揃っている。勢いに乗せたら止めるのが難しい。ただ、今週は3連敗中とあり、まずは自分たちのラグビーにおいて目指さなければいけない部分を見つめます」
前所属先のクルセイダーズでは、国際リーグのスーパーラグビーでV7を達成。勝ち続けたがゆえに苦境に立たされた経験は過去にもあるだけに、ブレイブルーパスの現状にもただネガティブでいるわけではない。
「いまの東芝に然り、私がいた頃のクルセイダーズに然り、王者としてシーズンに臨むと、他の各チームにターゲットにされます。彼らはベストゲームをしようとしてきます。(受けて立つ側には)それなりの難しさがあります。
いまの東芝は、ちょうど暗闇のなかにいます。ただ、穴の奥から抜け出すまであともう少しのところにいます。ここを脱すれば、今回の経験を糧によりよい位置に行けます」
この日は、クラブ主催の定例会見もあった。
新入団選手の紹介部門に登壇した東洋大のアダム・タマティは、ニュージーランド出身だ。自国のスターであるモウンガについて、「(ブレイブルーパスに合流して)数日間で全てを知ったわけではありません。ただ、彼の練習への向き合い方、グラウンドに出てからの過ごし方から、偉大な選手と言われる所以が垣間見えました」と述べた。
